RSDS準拠のI/F搭載 |
64階調TFT液晶ドライバ「HD66336」 |
日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川 邦夫)は、このたび、XGA(注1)、SXGA(注2)サイズの高精細TFT液晶パネルのデータ線駆動用ドライバとして、低EMI(注3)を実現するRSDSTM準拠(注4)のインタフェースを搭載した64階調TFT液晶ドライバ�HD66336�を製品化し、2001年11月からサンプル出荷を開始します。
近年、ノートパソコンや省スペース型デスクトップパソコン、モニターなどに搭載されるTFT液晶パネルは、大型化および高精細化が進んでいます。これにより画面の表示情報量が増加してきたことで、CPUと液晶ドライバ間のデータインタフェース速度は、高速化する傾向にあります。しかし液晶駆動信号出力にくらべてデータインタフェースの周波数は高いため、高速化するにつれ、信号レベルが変化する時に発生するEMIノイズの影響が大きくなります。このため液晶パネルのシステム開発においては、EMIノイズ対策は重要な課題であり、EMIノイズを低減できる液晶ドライバへの強いニーズがあります。
当社は、このようなニーズに対応するため、低EMIを実現できるRSDSTM準拠の小振幅差動インタフェースを搭載したデータ線駆動用のTFT液晶ドライバの開発を進めています。第一弾として、XGA、SXGA+(注5)向けに、384/420出力の�HD66335�を製品化しており、そして今回、ラインアップ強化を図るための第二弾として、XGA、SXGA向けに、384出力専用にして低価格化を図った「HD66336」を製品化しました。
本製品は、RSDSTM準拠の小振幅差動インタフェースを採用しています。従来のCMOSレベルインタフェースの電圧振幅約3Vに対し、電圧振幅を0.4V(±0.2V)と小振幅にしているため、信号レベルの変化時に発生するEMIノイズが低減でき、シールドやコンデンサなどのノイズ対策に必要な部品を削減できます。さらにデータインタフェースの本数は、CMOSレベルインタフェース方式での36本に対して18本と半減したため、基板の配線面積を低減でき、液晶パネルの低価格化を図ることができます。
また、本製品は、XGA、SXGAの高精細カラーTFT液晶に適したデータ線ドライバです。1画素当り6ビットのデジタルデータを受け取り、D/Aコンバータにより64階調の出力電圧を発生して、26万色表示を実現します。384出力のデータ線駆動出力数により、XGAを8個、SXGAを10個のチップで構成でき、全ピンを使用した無駄のない液晶パネルの設計ができます。
パッケージはCOF(注6)、TCP(注7)を採用しています。
今後、RSDSTM準拠のインタフェースを搭載したTFT液晶ドライバとして、256階調対応の製品やさらなる大画面のUXGA(注8)対応製品などラインアップ強化を行なっていきます。
(注1) |
XGA(Extend Graphic Array):ディスプレイの精細度規格の一つ。
XGAはIBM社の商標で、ドット数は1,024×768ドット。 |
(注2) |
SXGA(Super Extend Graphic Array):ディスプレイの精細度規格の一つ。
ドット数は1,280×1,024ドット。 |
(注3) |
EMI(Electro Magnetic Interference):電子機器の外部に対する電磁的な妨害・干渉など
の放出現象の総称 |
(注4) |
RSDSTM(Reduced Swing
Differential Signaling):インタフェースの技術の一つ。 RSDSは、米国 National Semiconductor
Corporationが提唱する小振幅差動インタ フェース技術およびその商標です。 |
(注5) |
SXGA+(Super Extend Graphic Array plus):ディスプレイの精細度規格の一つ。
ドット数は1,400×1,050ドット。 |
(注6) |
COF(Chip On Film):1mm厚以下の折り曲げ可能で、超薄型実装が可能な薄膜テープ上に
マウントしたパッケージ。 |
(注7) |
TCP(Tape Carrier Package):1mm厚以下の超薄型実装が可能な薄膜テープ上にマウント
したパッケージ。 |
(注8) |
UXGA(Ultra Extend Graphic Array):ディスプレイの精細度規格の一つ。
ドット数は1,600×1,200ドット。 |
■応用製品例
TFT液晶パネル(ノート型パソコン、省スペース型デスクトップパソコン、モニター)
■価 格
■仕 様
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