NKK、豊田通商株式会社、株式会社日立製作所、トタルフィナエルフ、丸紅株式会社、出光興産株式会社、国際石油開発株式会社、及び日本酸素株式会社の8社は、このたび、直接合成技術を用いたDME製造・販売の事業化検討会社「ディーエムイーインターナショナル株式会社」を2001年10月19日に、共同で設立することに合意いたしました。
アジア地域を中心とした人口の急増と経済成長に伴うエネルギー需要の増加を背景に、21世紀にはエネルギー不足と環境問題が深刻化するとみられ、今後エネルギー安定供給、地球環境負荷低減が大きな課題となってきます。
ジメチルエーテル(DME)は、多様な炭化水素系原料からの製造が可能であるとともに、燃焼時に硫黄酸化物やばいじんが全く発生しないなどの環境負荷の低いクリーンエネルギーです。
また、毒性が低く、ハンドリング性にも優れていることから、民生用燃料(LPG代替燃料)、輸送用燃料(ディーゼル自動車燃料・燃料電池自動車燃料)、発電用燃料(火力プラント・燃料電池燃料)および水素エネルギー源燃料として幅広い利用が見込まれており、潜在的なDMEのマーケットは、アジア地域だけでもLPG代替、発電燃料等として2010年で年間約1億トンの規模になるとの試算(*)もあり、次世代新エネルギーとして実用化が期待されています。
現在、経済産業省資源エネルギー庁からの支援のもと、DMEを大量かつ安価に製造する直接合成技術の確立を目指して、技術開発を進めております。全世界で3つのグループにより、DMEの直接合成法の開発が進められておりますが、NKKが中心として進めている直接合成法は、その高い効率性と開発段階の進展度合いから世界的にも注目されています。
この直接合成法によるDME製造は、アジア地域に大量に埋蔵する未利用の低品位炭や、中小ガス田等を有効活用することを可能とし、資源面での制約が少ない新エネルギーとして、地球規模での環境負荷低減及びエネルギーセキュリテイー確保に寄与するものといえます。
本事業化検討会社は、DMEの直接合成技術開発が実用化に向けた実証プラントの概念設計の段階に移行したことを受け、技術開発終了後に速やかにDMEの事業開始ができるよう、マーケティング活動を主体として、より一層のDMEマーケット開拓に取組み、2006年度にDMEの供給開始をすることを目標にして事業化検討を進めて参ります。事業規模は今後のフィージビリティスタディの結果にもよりますが、年間80万トンから150万トンを想定しています。
今回の新会社に国内の各業界の有力企業である、NKK、豊田通商、日立製作所、丸紅、出光興産、国際石油開発、日本酸素に加え、石油メジャーの一つであるトタルフィナエルフが参画することは、本事業の世界的規模での事業展開を推進する上で大きな力になるものと期待されます。
(*)2000年度NKK調べ
■新会社概要
項
目 |
内 容 |
商
号 |
ディーエムイーインターナショナル株式会社
(英文名: DME International Corporation ) |
所 在 地 |
東京都千代田区丸の内一丁目1番2号(NKK本社内) |
設 立 日 |
2001年10月19日(予定) |
資 本 金 |
1億円
(出資比率:NKK 34%、豊田通商株式会社 17%、株式会社日立製作所 17%、
トタルフィナエルフ 7%�丸紅株式会社 7%�出光興産株式会社 7%、
国際石油開発株式会社 7%、日本酸素株式会社 4%) |
取 締 役 |
若松 幹人 |
(NKK常務 環境ソリューションセンター長) |
代表取締役 |
伊佐山 輝洋
山本 公男
鈴木 雅記
ユベール ド・メスティエ
山内 亮二
日高 節夫
坂元 篤志
和光 俊幸 |
(NKK環境ソリューションセンター 企画営業部 主査)
(豊田通商株式会社 エネルギー部 部長)
(株式会社日立製作所 電力�電機グループ 火力�水力事業部 企画本部 新事業開発部 部長)
(トタルフィナエルフ 北東アジア代表)
(丸紅株式会社 エネルギー事業部 部長代理 兼 新事業開発課 課長)
(出光興産株式会社 総合計画部 部長付)
(国際石油開発株式会社 開発部 担当部長)
(日本酸素株式会社 オンサイトプラント営業本部 副本部長) |
事業内容 |
①マーケティング
②ビジネスプラン策定
③ファイナンスプラン検討 |
■出資会社の概要
1.NKK(日本鋼管株式会社)
創立 |
: |
1912年 |
資本金 |
: |
233,731百万円(2001年3月31日現在) |
従業員 |
: |
10,702人(2001年3月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
1,010,190百万円(2000年4月1日~2001年3月31日) |
事業内容 |
: |
鉄鋼事業、総合エンジニアリング事業、その他事業(総合都市開発、総合リサイクル) |
会社沿革 |
: |
NKKは、1912年、当時最高の技術を要する鋼管製造を目的として設立された。
以来、NKKを中心としたグループを形成しながら、長年にわたり、鉄鋼・総合エンジニ アリング事業の複合経営に取り組み、確固たる経営資源(コア・コンピタンス)を保有す
るに至った。 |
2.豊田通商株式会社
創立 |
: |
1936年 |
資本金 |
: |
26,748百万円(2001年3月31日現在) |
従業員 |
: |
2,244人(2001年3月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
1,915,839百万円(2000年4月1日~2001年3月31日) |
事業内容 |
: |
鉄鋼、非鉄金属を始めとした様々な品目の売買並びに輸出入業、問屋業、仲立業、
代理業業務 |
会社沿革 |
: |
豊田通商はトヨタ車の販売に対する金融を目的として「トヨタ金融株式会社」として創立
された。その後、1945年に貿易・商事分野に進出。以来トヨタグループの総合商社とし て輸出入業、問屋業、仲立業、代理業といった経営に取り組み、総合商社として確固
たる地位を築き現在に至る。 |
3.株式会社日立製作所
創立 |
: |
1920年(創立1910年) |
資本金 |
: |
281,754百万円(2001年3月31日現在) |
従業員 |
: |
55,609人(2001年3月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
4,015,824百万円(2000年4月1日~2001年3月31日) |
事業内容 |
: |
情報通信システム、電子デバイス、電力・産業システム、デジタルメディア・民生機器、
高機能材料、物流及びサービス他、金融サービスの7部門に亘る幅広い分野におい て事業活動を展開している。 |
会社沿革 |
: |
1910年久原鉱業所日立鉱山の電機修理工場として発足。1920年に(株)日立製作所と
して独立。以来、発電設備、鉄道車両、プラント、コンピューター、半導体、家電等の事業 を手がける総合電機メーカーである。 |
4.トタルフィナエルフ(TotalFinaElf)
創立 |
: |
1924年(フランス石油) |
資本金 |
: |
74億ユーロ(約8,140億円)(2000年12月31日現在) |
従業員 |
: |
12万3千人(2000年12月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
1,150億ユーロ(約13兆円)(2000年1月1日~2000年12月31日) |
事業内容 |
: |
石油・ガス等の炭化水素資源の探鉱・開発・生産及び販売、並びにそれらの関連品を
含む総合化学品の生産・販売 |
会社沿革 |
: |
フランスのトタルとエルフ、及びベルギーのフィナ社が合併して出来た世界第4位の大
手総合エネルギー企業。LNGは世界5カ国で生産しており、日本には、その需要の約 10%にあたる500万トン強を中東、インドネシアの生産地より供給している。
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5.丸紅株式会社
創立 |
: |
1858年 |
資本金 |
: |
194,000 百万円(2001年3月31日現在) |
従業員 |
: |
4,855人(2001年3月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
8,154,208百万円(2000年4月1日~2001年3月31日) |
事業内容 |
: |
輸出・輸入・三国間取引、国内卸、代理業及びその他事業(資源開発、IT関連事業、
金融・物流関連事業 他) |
会社沿革 |
: |
1858年創業の丸紅株式会社は、日本を代表する総合商社として、国内をはじめ輸入、
輸出、外国間と幅広い取引を行い、また世界各地に展開する拠点を通じて、資源開 発�IT、金融、物流など、多岐にわたる事業を積極的に展開している。
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6.出光興産株式会社
創立 |
: |
1940年 |
資本金 |
: |
38,800百万円(2001年3月31日現在) |
従業員 |
: |
3,652人(2001年3月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
2,203,700百万円(2000年4月1日~2001年3月31日) |
事業内容 |
: |
石油精製並びに油脂製造業、石油その他鉱物資源の調査、開発並びに採取等に関
連する製品その他物品の輸出入�販売及び保管等に附随する一切の業務。 |
会社沿革 |
: |
出光興産は、石油製品の販売からスタートし、現在、石油資源開発、原油の調達、石
油製品の製造・販売、石油化学、石油代替エネルギー開発、環境関連事業などの分 野に事業を拡大し、環境&総合エネルギー企業として確たる位置を築いている。
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7.国際石油開発株式会社
創立 |
: |
1966年 |
資本金 |
: |
29,460百万円(2001年3月31日現在) |
従業員 |
: |
227人(2001年3月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
155,571百万円(2000年4月1日~2001年3月31日) |
事業内容 |
: |
世界各地における石油�天然ガスの探鉱、開発、生産並びに精製、加工、貯蔵、売買
および輸送等。また、それらに関連する電気、熱、水の供給事業。 |
会社沿革 |
: |
1966年インドネシア共和国における探鉱�開発事業を推進するため設立。以後インド
ネシア、オーストラリアをコアエリアとして、中東、アフリカ、中央アジア�コーカサス、南 米等の世界15カ国で積極的に事業活動を展開し、現在、当社権益分として日量約33
万バーレル(原油換算)の原油・天然ガスを生産している。 |
8.日本酸素株式会社
創立 |
: |
1910年 |
資本金 |
: |
27,039百万円(2001年3月31日現在) |
従業員 |
: |
1,584人(2001年3月31日現在) |
売上高(単独) |
: |
185,178百万円(2000年4月1日~2001年3月31日) |
事業内容 |
: |
各種工業用ガスの製造販売、空気分離装置・半導体製造装置の製作販売、各種溶
接・溶断機器の製造販売、電子工業用装置・材料及び関連機器の製造販売、冷凍食 品の製造販売 |
会社沿革 |
: |
1910年に日本酸素合資会社として創業し、翌年東京・大崎にて酸素製造を開始。
1954年には日本で初めて液化酸素製造開始。1964年大規模オンサイトプラント(サン ソセンター)第1号操業以降、鉄鋼・化学・半導体産業など大口需要家向け各種工業
ガス供給に注力 |
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