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2001年9月28日
 
プラント向けの安全な遠隔操作技術Secure Tele-operation Protocolを開発
-- インターネットを利用した遠隔操作の安全性と柔軟性を実現 --
  日立製作所 システム開発研究所(所長:小坂 満隆)は、情報処理振興事業協会の委託研究を受けて、プラントの設備や機器をIP(インターネットプロトコル)ネットワークを利用して安全に遠隔操作を行うための汎用的技術 Secure Tele-operation Protocol(STP)を開発しました。

  これまでのプラント監視制御システムは、専用端末、専用線回線を利用して遠隔操作していました。しかし、インターネットやイントラネットなどの汎用的なIPネットワーク、パソコンや携帯電話などの情報機器の急速な普及に伴なって、「いつでも、どこからでも遠隔操作したい」というニーズが広がりはじめています。

  日立が開発した遠隔操作技術STPでは、「操作チケット」という概念を導入し、運用時に操作チケットの発行や管理を行うのが特徴です。操作チケットの発行・管理により、認証取得の手間を簡便化するとともに、操作員を制限し一つの操作対象への同時アクセスを制限することが可能です。
  基本機能は、操作員の認証機能、操作チケットの管理機能、操作の有効性チェック機能からなります。操作員の認証機能によって、正当な操作員かどうかだけでなく、操作可能な権限範囲まで含めて審査することができます。操作の有効性チェック機能では、運用組織の規則に従って実際に操作可能な対象を絞り込むことができます。操作チケットは、認証に成功し、かつ、他の操作員の妨げにならないと判断されるときに発行されます。
  操作員が複数になるような場合でも、一人の操作員が継続的に一連の遠隔操作を行うことができます。また、物理的に離れた場所にいる操作員同士で、操作チケットの交換も可能です。例えば、勤務交代時の操作の引継ぎを円滑に行う場合や、緊急で操作の専門性が要求される場合などに有効です。

  STP技術では、多くのユーザやベンダの便宜が図れるよう、できるだけインターネット標準の技術を採用しました。その結果、STPの下位のプロトコルとして、SSL相当の暗号通信技術を利用することを前提とし、STP自身は、電子認証技術、分散仲介技術、XMLメッセージング技術を取り入れて設計しています。

  STP技術を適用した基本的なシステム構成例を図1に示します。基本システムは、プラント制御系システム、STPサーバ機能を実行するプラント向けファイアウォール、STPクライアント機能を実行する遠隔操作端末の3階層アーキテクチャからなります。プラント向けファイアウォールの前段には、TCP/IP層でのフィルタリング機能を有する一般的なファイアウォールを設置することを推奨しています。STP技術は、遠隔操作端末とプラント向けファイウォール間の遠隔操作用メッセージ交換プロトコルです。

  日立では、STP基本機能をベースにしたプラント向けファイアウォールソフトウェア製品 “PointGuard”を2001年中に製品化する予定です。当初は、小規模なプラント施設やホームネットの遠隔操作から実用化をはかり、次に、電力・ガス・交通・上下水道などの大規模プラントの遠隔操作、あるいは、ロボットや医療機器の遠隔操作へ展開することも計画しています。

  STP技術に関しては、情報処理振興事業協会から公開の他、XMLコンソーシアムなどを通じて普及につとめます。

以 上




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