HITACHI : News Release : 9/3


		ニュースリリース

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2001年9月3日

　

ホームゲートの開閉と連動して
鉄道車両とプラットホームの隙間をふさぐ
「日立水平リンク式可動ステップ」を製品化

ホームゲート開閉前

ホームゲート開閉後

  日立製作所電力・電機グループ(電機部門CEO：住川雅晴)は、このたび、鉄道車両とプラットホームとの隙間を可動式ホーム柵（以下、ホームゲート）の開閉と連動してふさぐことができる「日立水平リンク(*)式可動ステップ」（ギャップフィラー）を製品化します。
  本製品は、ホームゲートとの一体工事が可能であり、当社製ホームゲートと共用した場合、基本的にプラットホーム側の加工工事は不要です。また、本製品をプラットホーム面上に設置した場合、プラットホームと鉄道車両の床面との段差の解消が可能であり、より一層のバリアフリー化が図れます。

  近年、乗客の転落事故や進入、出発する列車との接触事故を防止する対策として、プラットホームへのホームゲートの設置が進んでいます。ホームゲートは、従来、新線の建設にあわせて導入されるケースが多かったものの、最近では乗客の安全性の向上やワンマン運転開始のため、既設線での導入も進んでいます。
  しかし、既設線の駅の中には、地形や路線の形状などからプラットホームを曲線部に設置しなくてはならず、ホームと鉄道車両との隙間が大きく空いているケースがあります。こうしたプラットホームにホームゲートを設置した場合、乗客が開扉までその隙間の大きさを確認することができないため、乗降時に転落する危険があります。

  当社は、乗客の列車へのさらなる安全な乗降をめざし、プラットホームと鉄道車両の隙間をふさぐギャップフィラーを開発し、製品化します。本製品は、列車がホームに進入・停止後、列車のドアとホームゲートが開く前にステップが張り出し、乗降終了後、列車のドアとホームゲートが閉じた後に、格納します。
  本製品は、可動ステップをプラットホームと水平に移動させる水平リンク方式を採用したことから故障時にも列車運行への支障を回避でき、設置工事も容易です。また、ステップの張り出し時、収納時はそれぞれ固定されており、複数の乗客が同時にステップの上に乗ることができ、リンクの支点や長さ、ステップの形状を変更すれば、鉄道車両とプラットホームの隙間が平行でなくても隙間を最小化することが可能です。さらに、ステップの張り出し、格納時間がそれぞれ約1秒で行えるため、高密度なダイヤの路線でも対応できます。
  当社製のホームゲートと共用すれば、戸袋部のギャップフィラー取り付け部が利用できるため、プラットホームの加工工事が基本的に不要で、工事期間を最小化することができ、既設線での設置に最適です。また、本製品をプラットホーム面に設置すると、ホームと鉄道車両との床面の段差を解消することができ、更なるバリアフリー化を推進することができます。

  本製品は本年9月26日から3日間、主に鉄道事業者向けに開催する「HITACHI Rail Tech 2001」にて展示します。
(*) リンク：２本のリンクをそれぞれ支点をプラットホームに、もう一方をステップに固定し、動作する方式。

■日立水平式可動ステップ(ギャップフィーラー)の特徴
(1) プラットフォームと列車の隙間を最小化
  片側のリンク支点位置やリンクの長さ、ステップ形状の変更により、曲線上で鉄道車両とプラットホームの隙間が平行でないケースでも、ステップと鉄道車両を平行にして、この隙間を最小にすることが可能です。
(2) 複数の乗客の荷重にも耐えうる構造
  駆動モータからの動力伝達部に高比率の減速機を使用するため、減速機抵抗力により、ステップ張り出し時・収納時にはステップが固定されます。このため、ステップに複数の乗客が乗っても耐えうる構造です。
(3) 高密度運転にも適応した動作時間の最小化
  動作時間は、張り出し量が最大(200㎜)の場合でも、ステップの張り出し、格納ともに約1秒であり、高密度のダイヤの路線にも対応できます。また、ホームゲートの全開前にステップが張り出し、開閉後に収納する構造です。
(4) 停電や故障時でも列車運行の支障を回避
  停電、故障時にステップが張り出した状態で停止しても、手動操作での収納が可能です。また、万が一、ステップが張り出している時に列車が進入し、追突、接触した場合でも、ステップが収納方向に移動する構造のため、列車運行への支障を回避できます。
(5) 当社製ホームゲートとの共用で設置工事期間が最小化
  当社製ホームゲートの戸袋部には、ギャップフィラーの取り付け部を設けています。本製品と当社製ホームゲートを共用した場合、本製品を設置するためのプラットホーム側の加工工事は不要になります。このため、既存プラットホームでの設置工事期間が最小限で済みます。
(6)バリアフリー化の推進
  本製品をプラットホーム上に設置した場合、プラットホームと鉄道車両の床面の段差解消が可能であり、バリアフリー化も推進できます。

■ハード仕様（標準）

以　上