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2001年7月26日
 
少ピン、小型パッケージの16ビットシングルチップマイコン「Tinyシリーズ」の
ラインアップとして、「H8/3687シリーズ」と「H8/3694シリーズ」を製品化
-- 動作周波数の高速化や周辺機能の強化、パッケージ、メモリサイズの品揃えを拡充し、
家電、民生、産業分野などの幅広い分野に対応 --
16ビットシングルチップマイコン「Tinyシリーズ」
左:H8/3687シリーズ 右:H8/3694シリーズ

  日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 長谷川邦夫)は、このたび、少ピン、小型パッケージの16ビットシングルチップマイコン「Tiny シリーズ」のラインアップ強化として、家電、産業分野向けにタイマや通信機能を強化した「H8/3687シリーズ」を5製品および民生、産業分野向けに既存製品の高速化やパッケージの小型化等を行なった「H8/3694シリーズ」を6製品とフラッシュメモリ搭載のF-ZTATTM(注1)版を含む計11製品を製品化しました。「H8/3687シリーズ」は、F-ZTAT版を2001年11月から、「H8/3694シリーズ」は、F-ZTAT版を同年12月からサンプル出荷を開始します。

  近年、家電製品やOA機器、産業機器など種々の分野においては、システムの高機能化、高性能化が進み、さらに部品数を低減してシステムの低価格化を図るため、制御用マイコンに各種機能を搭載して1チップ化を図る傾向があります。一方、高機能な機器の開発においては、システムのメイン制御とその他の制御を分けて複数のマイコンを使用する傾向も増加しています。例えば、ユーザの機器展開品の開発などでは、各システムに共通な情報やメイン制御は高性能なマイコンを使用し、システムごとに変更する情報や制御はサブマイコンで対応することで、迅速な開発と開発コストの削減を図ることができます。市場においては、このようなニーズを実現できるマイコンが強く求められ、また、機器のより一層の小型化のため、小型パッケージへの強い要求もあります。

  当社は、これらの市場ニーズに対応するため、16ビットマイコンのCPU「H8/300H」をコアにした、64ピン以下の少ピンマイコンを「H8/300H Tinyシリーズ」として開発し、第一弾として2000年4月に「H8/3664シリーズ」を製品化して以来、好評を得てきました。そして今回、更なるラインアップ拡充を図るため、「H8/3687シリーズ」および「H8/3694シリーズ」を製品化しました。

  「H8/3687シリーズ」「H8/3694シリーズ」は、「H8/3664シリーズ」と同じく「H8/300H」をCPUコアにしています。本製品シリーズの特徴は以下のとおりです。
<共通の特徴>

(1)
動作周波数の高速化
電源電圧5Vでの最大動作周波数を従来製品の16MHzから20MHzに高速化。これにより、処理性能がさらに高くなり、機器の高性能化が可能。
(2)
豊富な周辺機能の内蔵
サブクロック、高機能タイマ、10ビットA/D変換器、非同期/同期シリアルインタフェース、I 2Cバス(注2)インタフェース、大電流端子等の豊富な周辺機能を内蔵しているため、民生、産業分野における小型機器のメインコントローラから大型機器のサブコントローラまで幅広い用途に対応可能。
また、オプションとしてパワーオンリセット機能、低電圧検出機能を搭載。本機能は、バッテリー等の使用時に供給電圧が変動するような機器やシステムの保護を必要とする機器の設計に有効。
(3)
従来製品よりさらなる低EMIノイズの実現
チップ内の電源配線の最適化等を行なうことで、低ノイズの従来製品より更にノイズを低減。
これにより、低ノイズ化を必要とするシステムに最適。

<H8/3687シリーズの特徴>
「H8/3687シリーズ」は、第一弾の「H8/3664シリーズ」の周辺機能を強化した製品です。

(1)
16ビットタイマを2チャネル内蔵し、本タイマを組み合わせて使うことにより、DCブラシレスモータ等の制御を行うことが可能。
(2)
シリアルコミュニケーションインタフェースを2チャネル、I 2Cバスインタフェースを1チャネル内蔵していることで、ネットワーク家電のシステムにも対応。
(3)
パッケージは、小型の64ピンLQFP(10mm×10mm)と64ピンQFP(14mm×14mm)の2種類を準備。

<H8/3694シリーズの特徴>
本シリーズは、「H8/3664シリーズ」の後継機種です。

(1)
電源電圧5Vでの動作周波数を20MHzに高速化したのに加え、I 2Cバスインタフェースの改良により、使い勝手を向上。
(2)
パッケージは、4種類を準備。「H8/3664シリーズ」とピン配置互換の64ピンLQFP(10mm×10mm)と64ピンQFP(14mm×14mm)の2種類の他に、本シリーズで新たに2種類の48ピンLQFP(10mm×10mmおよび7mm×7mm)を追加。新規のLQFPを使用することで、システムのより一層の小型化が実現可能。

  さらに、両シリーズのF-ZTAT版である「H8/3687F」および「H8/3694F」は、単一電源での書き込み/消去が可能なフラッシュメモリを搭載しています。このため、制御用プログラムやシステムの調整データなどの書き換えがオンボードででき、システムの開発期間の短縮ができます。

  本シリーズのラインアップ追加により、「H8/300H Tinyシリーズ」は、ユーザの幅広いニーズに対応可能となりました。今後、更なるメモリ容量の展開やタイマ、CAN(注3)、USB(Universal Serial Bus)などの周辺機能の強化等、製品ラインアップの充実を図っていきます。


(注1) F-ZTATTM :Flexible Zero Turn Around Timeの略。F-ZTATは、(株)日立製作所の商標です。
(注2) I 2Cバス :Inter-ICバスの略で、オランダのRoyal Philips Electronics社が開発した双方向シリアルバスシステムの規格。同規格に基づく製品同士であれば、2本の配線で複数の周辺IC間の相互データ転送や制御ができます。
(注3) CAN :Controller Area Networkの略で、独 Robert Bosch GmbHが提唱している車載用のネットワーク仕様。

■H8/300H Tinyシリーズ ホームページアドレス
    http://www.hitachi.co.jp/Sicd/Tiny/


■応用製品例
●OA機器、産業機器(プリンタ、FAX、FAセンサ、計測器、PC周辺機器等)のメカ制御等
●家電製品 (電子レンジ、オーブン、電気ポット、エアコン、洗濯機、掃除機、シェーバー、ゲームパッド等)
●通信機器 (コードレス電話、特定小電力無線制御、微弱無線制御、リモコン、ビルネットワーク端末、ホームセキュリティ端末等)
●小型モータ(DCブラシレスモータ、ステッピングモータ等)
●車載電装品(ワイパー、パワーウィンドウ、キーレスエントリ、エアバッグ等)

■価格
「H8/3687シリーズ」



「H8/3694シリーズ」


■仕様
「H8/3687シリーズ」


「H8/3694シリーズ」

以 上




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