日立概要ページへ トップページへ
日立の概要 ニュースリリース トップページへ

このニュースリリース記載の情報(製品価格、製品仕様、サービスの内容、発売日、お問い合わせ先、URL等)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更され、検索日と情報が異なる可能性もありますので、あらかじめご了承ください。なお、最新のお問い合わせ先は、お問い合わせ一覧をご覧下さい。

 
2001年5月18日
 
北里大学・産業技術総合研究所との共同により
「転倒予防歩行訓練システム」を開発
  日立製作所家電グループ(グループ長&CEO:瀬端久仁雄)は、冷熱事業部が既に製品化している「2ベルト方式歩行訓練機」をベースに、北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科・大渕修一助教授、産業技術総合研究所人間福祉医工学研究部門・長谷和徳主任研究員と共同で、「転倒予防歩行訓練システム」を開発しました。

  既に健常成人、健常高齢者で、歩行時外乱刺激による身体反応に関する基礎研究を終了し、今後、臨床研究をへて本年10月よりの受注開始を目指します。
  尚、本システムは5月24日から26日まで、広島国際会議場で開催される第36回日本理学療法学術大会企業展示で公開します。

■製品概要・発売時期
製品
システム構成
受注開始
価格
転倒予防歩行
訓練システム
本   体:2ベルト方式歩行訓練機(PW−2)
制御部:汎用コンピュータ、転倒刺激発生プログラム
表示部:速度モニタ
2001年
10月予定
未定

■システムの概要
  高齢社会の到来とともに高齢者の転倒事故は顕在化しており、厚生労働省においても「介護予防・生活支援事業」を予算化して転倒予防に対する取組みを開始しています。それを受けて自治体では、介護予防事業の一環として「転倒予防教室」を開催するなど、社会的に「高齢者の転倒予防」が注目されてきました。
  大渕助教授は介護予防拠点事業のモデルとして、筋力・柔軟性・バランス能力など体力を構成する諸要素を包括的にトレーニングするCGT(包括的高齢者運動トレーニング*)プログラムを開発し、札幌市など自治体と共同した研究で成果をあげています。
(*CGT:Comprehensive Geriatric Training)

  今回の転倒予防歩行訓練システムは、制御応答性に優れた「2ベルト歩行訓練機」のベルト速度を左右別々に瞬時間(500ms)減速する(設定速度の100%、50%、20%)ことで、転倒の主原因であるつまずき・スリップ動作を安全な状況で再現し、バランス機能を高めるトレーニングが可能です。これにより高齢者でもステッピング反応と呼ばれる身体の転倒回避反応を容易にトレーニングすることができます。また、設定した範囲内でランダムに速度を変化させることで、より細かな運動の調節を必要とするトレーニングにも対応可能です。
  本システムの開発は、高齢者歩行特性による計算機シミュレーション技術の研究を進めていた長谷主任研究員と、地域高齢者の転倒やリハビリテーションの実践研究を進めていた大渕助教授が、転倒のメカニズムに直接的にアプローチする方法を検討する過程で生まれたアイデアが元になっています。このアイデアを歩行訓練機で実績のある日立の制御技術で実現し、今回の開発にいたりました。

■歩行訓練機PW−2の概要
  歩行訓練機PW−2は歩行部、介助部、オプションの映像部から構成されています。歩行部は「2ベルト」方式で、他動運動である「定速歩行」と、自動運動である「AI歩行」(Active Impedance)が使い分けられる点、また、それぞれのベルトの条件設定が可能なことが特徴です。介助部は手動の介助機構でレバーにより350mmの高さ調節が可能で、歩行器感覚で寄りかかれる「アームレスト」、平行棒感覚で訓練できる「ハンドル」がついています。また映像部は、歩行速度に同期してレーザーディスクの映像が動き、散歩をしているかのような臨場感を味わうことができます。
  構造的には、歩行部をローラで構成し、摩擦抵抗を極力低減し、制御性に優れるACサーボモータ、ACサーボ制御を採用してます。

■第36回日本理学療法学術大会の概要
期間 平成13年5月24日(木)〜26日(土)
場所 広島国際会議場(平和記念公園内)
第36回日本理学療法学術大会企業展示「日立ブース」にて実機展示

■北里大学 概要
所在地 (本部)東京都港区白金5−9−1
(医療衛生学部)神奈川県相模原市北里1−15−1
概要 1962年設立、現在、医学部・医療衛生学部・看護学部・薬学部・理学部・獣医畜産学部・水産学部から成り、医療衛生学部は衛生学部を改組し、1994年に創立された。人工皮膚を始め、医療・工学・福祉を融合した最先端の研究・教育機関である。

■産業技術総合研究所 概要
所在地 茨城県つくば市東1−1
概要 多岐にわたる分野の研究者集団の融合と創造性の発揮による研究活動を通じて、新たな技術シーズの創出、産業技術力の向上や新規産業の創出など、我が国の経済的発展に貢献し、国民の生活の向上に寄与することを目的に設立された、独立行政法人。
沿革 2001年1月6日の省庁再編に伴い、工業技術院が廃止され、経済産業省 産業技術環境局 および 経済産業省 産業技術総合研究所を経て、2001年4月1日 独立行政法人 産業技術総合研究所(略称:産総研)として再発足。旧工業技術院傘下の研究機関等は統合され、新たな組織に生まれかわりました。
URL http://www.aist.go.jp/index_j.html

以 上




top of this page


(C) Hitachi, Ltd. 1994, 2001. All rights reserved.