日立製作所中央研究所(所長 武田英次)は、このたび、10ヶ国語(英・中・韓・仏・独・伊・露・スペイン・ポルトガル・ヒンズー)に対応した、携帯電話による日本語音声自動通訳システムを開発しました。当所では昨年11月に日韓自動通訳システム体験サービスを行ないましたが、今回は、通訳する言語を10ヶ国語に増やすとともに、認識できる日本文の表現に幅を持たせるなどの新たな工夫を加え、使い勝手を向上させました。この通訳サービスでは、専用マイクや入力装置を使わずに、お手持ちの携帯電話で日本語の音声認識を実現しています。4月27日より約3ヶ月間、体験版サービスを一般公開します。
今回公開する体験版サービスは、旅行用会話を中心とした1,734の文例を提供します。まず、お手持ちの携帯電話、PHS、一般の電話からサービスセンター((03)-5333-3324)に電話をかけていただきます。センターに接続したら、言語を声で指定していただきます。次に、通訳したい文例を日本語で話して頂きますと、はじめに日本語による確認音声が、次に外国語音声が出力されます。この音声を対面の相手に聞かせることで自分の意思を伝えることが可能となります。なお、使い方や文例は、ホームページhttp://koigakubo.hitachi.co.jp/mobilingual/
(iモード:http://koigakubo.hitachi.co.jp/mobilingual/i/、 EZweb:http://koigakubo.Hitachi.co.jp/mobilingual/ez/、
J-スカイ:http://koigakubo.hitachi.co.jp/mobilingual/j/) に掲載しています。体験版サービスは、国際電話を利用すれば海外からでもアクセスできるため、海外旅行中に現地から利用することもできます。
今回開発した音声自動通訳システムは、日立製作所中央研究所の音声認識・言語処理技術を用いて実現しました。昨年の日韓通訳システム体験サービスの結果をもとに、新たに次の技術を開発しました。
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10ヶ国語の通訳:言語名を音声で指定することにより、英語・中国語・韓国語・仏語・独語・伊語・露語・スペイン語・ポルトガル語・ヒンズー語の10ヶ国語の中から、希望する言語に変換する通訳サービスを使うことができます。 |
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日本語表現の多様性対応技術:前回の体験サービスで、ユーザの方は、同じ内容の日本文を様々な表現で話すために、これが認識率を低下させていることがわかりました。そこで、ユーザの方の多様な表現に対応する言語モデルに改良しました。例えば、旅行先で商品の値段を尋ねる場合に、「いくらですか?」、「いくらでしょうか?」、「おいくらですか?」、「これはいくらですか?」等の様々な言い回しを認識できるようになりました。 |
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非登録文発声の検知技術:今回開発したシステムは、あらかじめ登録されている文パターンに合致する入力のみを外国語に通訳するものです。このため、登録されている文が不明の場合にも、誤った文例を表示する恐れがありました。そこで、"ガベジモデル"と呼ばれる方式の導入により、登録されていない文が入力されたことを検知し、ユーザに正しい入力を促すことができるようになりました。 |
今回の体験版サービスでは日本語から外国語への通訳を提供していますが、今後は更に開発を進め、外国語から日本語への通訳システムも開発していく予定です。また、雑音環境下での利用への対応も進め、2002年の日韓共催ワールドカップサッカー開催を機会に、本格的なサービスの開始を目指します。
【体験サービスの概要】
期間 |
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2001年4月27日〜2001年7月31日 |
電話番号 |
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(03)5333-3324 |
料金 |
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無料(別途通話料がかかります) |
使い方・文例 |
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http://koigakubo.hitachi.co.jp/mobilingual/ |
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iモード |
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http://koigakubo.hitachi.co.jp/mobilingual/i/ |
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EZweb |
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http://koigakubo.hitachi.co.jp/mobilingual/ez/ |
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J-スカイ |
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http://koigakubo.hitachi.co.jp/mobilingual/j/ |
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