株式会社 日立製作所(取締役社長:庄山 悦彦/以下、日立)と日製産業株式会社(取締役社長:
樋口 紀昭/以下、日製産業)は、このたび、半導体製造装置やバイオ関連製品などのナノテクノロジー事業を核として、市場の変化にスピーディーに対応した事業運営を図るため、本年10月1日付で日立の計測器グループと半導体製造装置グループを分社化し、日製産業と統合するとともに、同社を「株式会社 日立アドバンストテクノロジーズ(仮称)」(以下、新会社)と商号変更することで合意しました。なお、正式には、本年6月に開催される日製産業の株主総会にて決定されます。
また、計測器グループの検体検査装置の国内外営業を一本化するため、同日付で、株式会社 日立メディコ(取締役社長:宅間 豊/以下、日立メディコ)の同装置に関する営業業務を新会社へ移管することに合意しました。
新会社は、日立が取り組んできた計測器や半導体製造装置事業と日製産業の商社機能を統合、さらに日立メディコの検体検査装置に関する営業を移管し、半導体製造装置やバイオ関連製品などのナノテクノロジー事業に関する開発から製造、販売、サービスまでの一体運営とすることで、同事業に関する意思決定の迅速化、経営効率の向上を図っていきます。
また、リソースの集中と有効活用により、市場競争力の強化を図るとともに、バイオ分野などの新規事業の創出に取り組み、計測器および半導体製造装置事業における世界のトップ企業をめざします。
日立は、1999年11月に発表した中期経営計画「i.e.HITACHIプラン」にて、日立グループのリソースを戦略的に活用し、お客様にとっての「ベスト・ソリューション・パートナー」をめざし、事業構造を質的、構造的に変革していくことを宣言しました。また、時価総額の増大を基本方針とし、日立グループの再編、見直し、協調による連結経営の強化を図ってきました。
今回の事業統合は、計測器および半導体製造装置事業を含めたナノテクノロジー事業の強化を図る日立グループの事業戦略の一環であり、日立の事業グループと関連会社との一体運営をさらに強化%拡充するという基本戦略に基づいて実施するものです。
日立の計測器グループと半導体製造装置グループは、市場の微細化技術のニーズに対応し、半導体や素材、医学、バイオ分野向けに、半導体製造・検査評価装置、医用検査装置、電子顕微鏡等を製品化してきました。特に、血液自動分析装置等の検体検査装置分野や電子顕微鏡分野、半導体製造ライン向けの検査・評価装置を含む半導体製造装置分野においては、世界トップクラスの技術を有しており、日製産業のグローバルな営業力との相乗効果により、事業を拡大しています。しかし、半導体製造装置やバイオ関連などの市場は最先端技術分野であるため、他社に先駆けた新技術の開発や顧客ニーズへの最適なソリューションの提供が勝ち残りの不可欠な条件となっています。
そこで、今回の事業統合により、半導体製造装置、バイオ関連製品などのナノテクノロジー事業において、日立の先端技術、製品開発力と日製産業の営業力という各々の強みを活かし、開発から製造、販売、サービスまでの一貫体制を構築することにより、市場変化や顧客ニーズを先取りし、スピーディーな製品開発、および最適なソリューションの提供を行うことで、同分野における世界のトップ企業をめざします。
また、医用関連装置においては、日立メディコが行っている検体検査装置の営業を統合することで、国内外の営業体制を一本化し、グローバルな顧客ニーズへの対応力強化を図ります。
なお、本年10月の事業統合により、日立の計測器グループと半導体製造装置グループ、およびその関連営業部門、ならびに日立メディコの検体検査装置に関する営業部門の従業員は、新会社に移ることとなります。
また、本年10月以降、国内外の拠点の統合等も行い、グローバル市場における顧客対応力の強化を図っていく予定です。
今回の事業統合にあたっては、本年4月1日から施行される「会社分割制度」を適用します。これにより、統合の際、日製産業から日立に対して新株式の発行・割当を行いますが、承継会社である新会社の株式上場は維持していきます。また、新株発行数などに関しては、本年4月初旬までに決定する予定です。
<新会社の概要>
| 会社名 |
: |
株式会社 日立アドバンストテクノロジーズ(仮称)
<英文表記> Hitachi Advanced Technologies, Ltd.(仮称)
|
| 本社所在地 |
: |
東京都港区西新橋一丁目24番14号 |
| 資本金 |
: |
本年4月初旬までに決定予定 |
| 分割期日 |
: |
2001年10月1日 |
| 代表者 |
: |
取締役社長 樋口 紀昭(予定) |
| 売上高 |
: |
| (連結ベース)2001年度(見込み) |
8,220億円、 |
2002年度(見込み) |
9,000億円 |
| (個別ベース)2001年度(見込み) |
5,920億円、 |
2002年度(見込み) |
6,560億円 |
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| 当期利益 |
: |
| (連結ベース)2001年度(見込み) |
100億円、 |
2002年度(見込み) |
165億円 |
| (個別ベース)2001年度(見込み) |
66億円、 |
2002年度(見込み) |
105億円 |
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| 従業員 |
: |
(連結ベース)8,060名(設立時 見込み) (個別ベース)3,270名(設立時 見込み) |
| 主な事業内容 |
: |
| (1) |
半導体製造・検査評価装置、科学機器、医用・バイオ機器、環境システム等の国内外の製造・販売・サービス |
| (2) |
情報システム、電子部品、先端産業材料等の国内外の販売・サービス |
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<株式会社 日立製作所の概要>
| 1.会社名 |
: |
株式会社 日立製作所 |
| 2.本社所在地 |
: |
東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 |
| 3.代表者 |
: |
取締役社長 庄山 悦彦 |
| 4.資本金 |
: |
281,754百万円(2000年9月末現在) |
| 5.従業員数 |
: |
344,907名(連結ベース:2000年9月末現在) |
| 6.売上高 |
: |
80,012億円(連結ベース:2000年3月期実績) |
<日製産業株式会社の概要>
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日製産業株式会社は、日立グループのハイテクノロジー商社として、科学機器から半導体製造検査評価装置、情報システム、産業システム、半導体、先端材料まで幅広い分野の営業活動を行っています。特に、近年はナノテクノロジー分野・ライフサイエンス分野を重要なビジネス分野と位置付け、同分野に特化した開発営業を行う体制を構築し、海外の有力技術の導入や日立グループ各社とのアライアンスを積極的に進め、ビジネスを拡大しています。 |
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| 1.会社名 |
: |
日製産業株式会社 |
| 2.本社所在地 |
: |
東京都港区西新橋一丁目24番14号 |
| 3.代表者 |
: |
取締役社長 樋口 紀昭 |
| 4.資本金 |
: |
5,438百万円(2000年9月末現在) |
| 5.従業員数 |
: |
3,097名(連結ベース:2000年9月末現在) |
| 6.売上高 |
: |
7,253億円(連結ベース:2000年3月期実績) |
<株式会社 日立メディコの概要>
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株式会社 日立メディコは、日立グループの医療機器事業を担う会社として、X線CT装置や
MRイメージング装置の製造・販売・サービスを行ってきました。また、日立の計測器グループが
開発・製造する検体検査装置(モジュラー方式の血液、尿、細菌等自動検査装置)の国内販売を担当し、複雑化する生化学検査に最適な検査機器を提供しています。 |
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| 1.会社名 |
: |
株式会社 日立メディコ |
| 2.本社所在地 |
: |
東京都千代田区内神田一丁目1番14号 |
| 3.代表者 |
: |
取締役社長 宅間 豊 |
| 4.資本金 |
: |
13,884百万円(2000年9月末現在) |
| 5.従業員数 |
: |
3,188名(連結ベース:2000年9月末現在) |
| 6.売上高 |
: |
1,095億円(連結ベース:2000年3月期実績) |
<日立 計測器グループの概要>
| 1.グループ長&CEO |
: |
上席常務 猪俣 博 |
| 2.従業員数 |
: |
3,886名(連結ベース:2000年9月末現在) |
| 3.売上高 |
: |
1,160億円(連結ベース:2000年3月期実績) |
<日立 半導体製造装置グループの概要>
| 1.グループ長&CEO |
: |
常務 実松 俊弘 |
| 2.従業員数 |
: |
380名(個別ベース:2000年9月末現在) |
| 3.売上高 |
: |
265億円(個別ベース:2000年3月期実績) |
[参考資料] <今回の再編スキーム>
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会社分割制度とは、2000年商法改正(2000年5月31日公布、2001年4月1日施行)により、新たに設けられた制度で、会社がその営業の全部、または一部を他の会社に承継させるためのものです。煩雑な手続きを踏まずに、企業の組織再編に柔軟に対応できるように法整備がなされました。
今回の会社分割は「分社型吸収分割」方式で、分割する会社の営業を既存の他の会社が承継し
(吸収分割)、分割する会社が株式の割当を受ける(分社型)ものです。 |
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