日立製作所 デジタルメディアグループ(グループ長&CEO:藤森好則)は、インターレース
(飛越走査)の映像を高画質なプログレッシブ(順次走査)に変換する「プログレッシブユニット」
及びスキャンコンバータ・信号処理機能を搭載した「マルチスキャンコンバータユニット」を新
しく開発し、受注を開始しました。
日立はこれまで、独自にプログレッシブ機能搭載のテレビやマルチスキャン対応のパソコン用
モニター専用のシステムLSIを開発し、先行して自社製品に搭載するとともに、テレビやパソコン
モニターメーカーにも供給しています。しかしながら、表示画面の大型化や、PDPや液晶など
の固定画素表示デバイスの増加により、メーカーの開発リソースへの負荷は高まっています。そ
こで日立は、従来よりも高画質化に対応したシステムLSIの開発と平行して、業界ではじめて
システムLSIと周辺回路をユニット化し、メーカーの新製品開発の負荷を低減できるようにしまし
た。
テレビの表示画面は大型化が進んでいます。また、ブラウン管以外のPDPや液晶などの固定
画素表示デバイスを採用した高画質・薄型テレビへの期待も高まっています。さらにBSデジタ
ル放送がスタートし、信号フォーマットも増えてきました。一方パソコンでは、液晶モニターの
比率が高まっているとともに、インターネットに加えテレビやDVDソフトを楽しむAVパソコ
ンも普及してきています。またパソコンを用いたプレゼンテーションなどを目的にした液晶プロ
ジェクターも需要が増えてきています。カーナビなど情報端末の搭載により車載モニターへの高
画質表示のニーズも高まっています。
このような状況において、現行のテレビ放送は、インターレース方式であり、表示画面が大型
になると、画質が粗くなってしまいます。固定画素表示デバイスの表示は、プログレッシブ方式
であるため、インターレース方式で送られてきた映像信号をプログレッシブ方式に変換して、高
画質表示に対応する必要があります。またテレビやパソコンの入力信号のフォーマットや解像度
は多種となっており、これらを表示デバイスに合せる必要があります。
「プログレッシブユニット」は、テレビの映像信号のインターレースをプログレッシブに変換
し、走査線を倍密度にして高画質表示を行います。またパソコンの信号を液晶やPDP等の固定
画素デバイス表示装置に高解像度変換を行なうとともに、VGA、SVGA、XGAを相互に変換出来ます。
また、従来、顧客要望が大きかったPinPなどが可能となる2入力機能を取り入れました。
「マルチスキャンコンバータユニット」は、パソコンの信号(R、G、B)のフォーマットVGA、SVGA、
XGA、SXGA、720P、1080Iを固定画素デバイスディスプレイのフォーマットVGA、SVGA、XGA、SXGA、
720P、1080Iに合せて高解像度出力します。また入力信号を自動的に識別し、表示を自動設定しま
す。
日立は、テレビおよびパソコンモニターメーカーの開発リソースと期間を低減できる部品を提
供し、部品事業のさらなる拡大に努めてまいります。
商標注記:VGA、XGAは米国IBM社の登録商標です。
■主な特長
1.プログレッシブユニット
(1) 映像信号のインターレースをプログレッシブに変換します。
(2) PC信号を固定画素表示デバイスに高解像度変換します。
・VGA、SVGA、XGAを相互変換
(3) 2入力の信号合成を行います。
(4) 映像の拡大・縮小が出来ます。
・水平、垂直独立に1/5〜256倍
(5) 画質設定機能により、最適な画質が得られます。
2.マルチスキャンコンバータユニット
(1) PC信号(R、G、B)を固定画素表示デバイスに高解像度変換します。
・入力VGA、SVGA、XGA、SXGA、UXGA、1080iを
出力VGA、SVGA、XGA、SXGA、720Pに変換します。
(2) 入力信号を識別し、表示を自動設定します。
(3) 画質設定機能により、最適な画質が得られます。
(4) 映像の拡大・縮小が出来ます。
・水平、垂直独立に1/5〜256倍
■応用製品
(1)大型テレビ(ブラウン管)
(2)液晶テレビ、液晶プロジェクタ−、液晶モニター(パソコン、車載)
(3)PDPモニター、PDPテレビ
■主な仕様
プログレッシブユニット
・入力信号 Y/R-Y/B-Y(4:2:2)またはR/G/B(4:4:4)、アナログ
・出力信号 Y/R-Y/B-YまたはR/G/B、アナログ
・消費電力 4.3W
・形状 120×91×27.5mm
マルチスキャンコンバータユニット
・入力信号 R/G/B
・出力信号 R/G/B
・消費電力 8W
・形状 165×120×23mm
以上
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