株式会社 日立製作所(取締役社長:庄山 悦彦)、クラリオン株式会社(取締役会長:石坪 一三)、
株式会社ザナヴィ・インフォマティクス(取締役社長:藤井 篤)の3社は、ナビゲーションをはじめとする車載情報(CIS*)機器事業における開発効率の向上や製品競争力の強化を図るため、CIS機器の開発・製造に関する合弁会社「株式会社エイチ・シー・エックス」を本年12月21日に設立し、来年1月から営業を開始します。
近年、日本のCIS機器分野は、ITSの進展により、現在のナビゲーションに通信機能が付加されるなど、各種情報サービスに対応した付加価値の高いシステムの普及が進んでいます。また、米国や欧州においても、CISサービス・機器の普及が急速に進むと予想されており、グローバルで大きな成長が期待されています。
一方で、ワールドワイドで競争が激化するCIS機器市場で勝ち抜くためには、エレクトロニクス、通信などの最先端技術や運転中の安全な操作性、車載という厳しい環境に耐える耐熱・耐振動性、さらにはエンジンなどの車両制御系との連携を高い次元で満たす機器を開発する必要があります。
そこで、日立製作所、クラリオン、ザナヴィの3社は、このたび、共同出資によりCIS機器の開発・製造に関する新会社を設立し、製品競争力のなお一層の強化を図ることとしました。
新会社では、日立製作所の半導体、DVD、次世代移動体通信等の先端技術やエンジン制御等の車両制御技術、クラリオンのカーオーディオの車載化技術や商品企画力、量産技術力、さらに、ザナヴィのナビゲーション技術、商品企画力という3社が有する強みを結集させ、クラリオン、ザナヴィ向けの次世代CIS機器などを開発していきます。
また、新会社は、クラリオン、ザナヴィから開発人員の一部をシフトし、次世代製品の重複開発の削除や製品開発期間の短縮、開発費用の低減を図るとともに、日立製作所の先端技術の活用や研究開発の支援により、クラリオン、ザナヴィ両社の製品競争力を強化していきます。将来的には、製造面での効率向上も視野に入れ、新会社で開発した製品のクラリオン、ザナヴィ向けのOEM供給も検討していきます。
新会社の設立により、日立製作所は、CIS機器事業を強化し、インフラや情報サービス等の自社の幅広いITS事業へのシナジー効果を拡大させ、「ITSの日立」としての地位を強固なものとします。また、CISをはじめとした車載情報系とエンジン・パワートレインやブレーキ制御技術を融合した車両総合制御の強化を図ります。さらに、クラリオン、ザナヴィの両社は、新会社の開発・生産の成果を製品競争力向上に活かし、グローバル市場での地位向上を図っていきます。
* | CIS | : | Car Information Systemsの略。 | 3社では車載情報事業全般をCISと総称している。 |
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