日立製作所 ビルシステムグループ（グループ長＆CEO：平元 武治）は、このたび、機械室レ
ス（機械室を必要としない）標準型エレベーター「アーバンエース」のモデルチェンジを行い、
『誰にでも使いやすいエレベーター』というコンセプトのもと、全36機種にユニバーサルデザ
インを採用し、10月20日から発売します。
高齢社会を迎え、高齢者や身体の不自由な方が積極的に社会活動に参加でき、安心して暮らせ
る環境づくりが求められています。このため、最近では各種建物などに、車いすを使用しても使
いやすいエレベーターや、車いす用ステップ付きエスカレーターなどが多く設置されるようにな
りました。しかし、このような設備には、誰でも無理なく操作が出来ることや、安心して乗り降
りができることなど、福祉対応機能の更なる向上が求められています。
今回発売する「アーバンエース」は、こうした社会的背景に応えて、『誰にでも使いやすいエ
レベーター』というコンセプトのもと、「ユニバーサルデザイン」を採用し、高齢者や身体の不
自由な方にも使いやすいエレベーターとして製品化しました。製品化にあたっては、当社デザイ
ン研究所、デジタルメディアグループ生活ソフト開発センタなどと協力し、実際に高齢者や身体
の不自由の方にモニターとして参加して頂き、さまざまなテストを行い、製品に反映しました。
また、建物の多様化に対応するため、ペンシルビル対応の新機種として事務所ビル及び住宅用
６人乗りの高速機種(90ｍ、105ｍ/分)、大規模病院用の高速機種などの９機種を加え、従来の
27機種を36機種に拡大しました。
当社では、平成11年3月から、機械室レス標準型エレベーター「アーバンエース」を発売して
おり、駆動装置を昇降路内に組み込むことで機械室が不要になり、ビル設計の自由度が向上する
等のメリットが評価され、好評を博しています。現在、当社の標準型エレベーターの販売実績の
うちのほとんどが、機械室レスエレベーターになっています。
■「アーバンエース」の特徴
１.ユニバーサルデザインの採用
(1)操作盤のボタンの位置を子供や身体の不自由な方も無理なく押せる高さに配置しました。ま
た、階床ボタンは、高齢者や弱視の方にも見やすいように、白をベースに黒い文字で表記し、
点灯していない状態でも文字がはっきり読み取れるようにしました。
(2)高齢者や弱視の方が目的階へ到着したことが、よりわかりやすいように、着床時、操作盤の
当該階床ボタンを点滅するようにしました。
(3)社会のグローバル化に対応し、操作盤の表記を和文と英文の併記としました。
(4)従来の縦型主操作盤に加えて、車いす使用者や子供でもスムーズに操作できる高さ、レイア
ウトを考慮して、かごの側面に車いす使用者と健常者が共用できる横型操作盤を取り付ける
ことができるようにしました。
(5)車いす使用者が安心して乗り降りできるように、床面から天井までのフルハイトミラーを取
り付けることが出来るようにしました。大きな鏡面はかご内に広がり感・開放感をもたせる
効果も発揮します。
２.建築空間に調和するデザインの採用
多様化する建築意匠に調和し、無駄の無いデザインを採用しました。
『ニュートラル・モダン』と名づけたデザインコンセプトをベースに、標準型エレベーターに
求められるニュートラルな空間性と、長期間に渡って飽きのこないシンプル表現を追及しまし
た。
かご天井は、全面光天井、ダウンライト、間接照明など、明るさや光の質感を選べる照明デザ
インバリエーション（事務所用：７種、住宅用：６種、寝台用：１種）を用意しました。また、
その他かご側板、かご床の組み合わせで、様々な空間イメージのニーズにお応えし、約800種の
バリエーションから選択できます。
３.速度105m/min機種までラインナップ
事務所用として６人/９人/11人/13人/15人乗り（分速45m/60m/90m/105m）、住宅用として６
人/９人乗り（分速45m/60m/90m/105m）、病院用として750kg/1000kg（分速45m/60m/90m/105m）
の計36機種をラインナップしました。
以 上
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