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平成12年10月16日
水道水の水質計測・監視向けとして、
業界最小のA3サイズを実現した
7項目測定配水水質モニタ「AN570」を製品化
−配水本管の分岐点などのオンライン計測を容易にし、
水道水の安全管理の向上に寄与−
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 日立製作所 計測器グループ(グループ長&CEO 猪俣 博)は、このたび、水道水の水質計測
・監視向けに、厚生省が定める「水道施行規則」の毎日検査項目(残留塩素(*1)、色度(*2)、濁
度(*3))に加え、導電率(*4)、pH(酸/アルカリ)(*5)、水圧、水温の計7項目のオンライン計
測が可能なコンパクトサイズの配水水質モニタ「AN570」を製品化し、10月17日から販
売を開始します。
 本製品は、当社独自のマイクロフローインジェクション(連続流れ)分析法や、半導体微細加工
技術を応用して吸光度、透過光量、および散乱光などの測定を行う光センシング技術を採用し、
配管類を一本化したことにより、7項目水質計としては業界最小のA3サイズに小型化しました。 
  これにより、当社従来製品と比較し、設置スペース確保の問題が解消できるとともに、大掛か
りな設置工事も不要となり、導入/ランニングコストの大幅な低減が可能です。また、水道水を連
続かつ安定的に測定できるため、水質の安全管理の向上にも寄与します。

 ライフラインである水道水は、浄水場から配水管網を介して各家庭に安定供給されます。その
際、水道水の水質(品質)が配水管網の分岐点ごとで変化していないかを監視することが、良質な
水を各家庭に供給する重要な管理項目となります。
  そこで、当社は昨年8月に、配水管網のより家庭に近い末端部の水質測定用として、毎日検査
の3項目に対応した配水末端水質計「AN530」を製品化しました。これにより、従来巡回な
どの手分析で行っていた水質検査を自動計測でき、さらに水質変化のデータを浄水工程の運転に
活用することで、配水の品質管理のさらなる効率向上が図れます。
  一方で、水道水の水質基準は水道法で規定されていますが、配水管網の末端部では水道法に規
定された毎日検査の3項目以外にも、配水管の腐食防止を監視するためのpH、配水の安定供給
を行うための水圧、おいしい水の指標の水温、複数の水源を用いた浄水場における水源特定のた
めの導電率の監視が併せて行われており、これらを総合的に監視する小型の配水水質モニタのニ
ーズが高まっていました。そこで、今回、あらたに7項目のオンライン計測が可能な配水水質モ
ニタ「AN570」を製品化しました。

  本製品は、残留塩素、色度、濁度という毎日検査の3項目に加え、導電率、pH(酸/アルカリ)、
水圧、水温の計7項目のオンライン測定が可能です。また、当社独自のマイクロフローインジェ
クション分析法や半導体微細加工技術を応用した光センシング技術の採用により、配管類におい
て試料水や排水ラインを一本化できるため、分析部本体において7項目水質計としては業界最小
のA3サイズを実現しました。さらに、マイクロフローインジェクション分析法では、半導体微
細加工技術により流路形成したマイクロセル(小形の測定管)に、試料水、試薬(残留塩素用DPD
試薬)、ゼロ基準水(超純水)を自動的に流し、吸光度(残留塩素)、透過光量(色度)、散乱光パル
ス数(濁度)を測定するため、連続的に7項目の計測を行うことが可能です。連続的に水道水の残
留塩素、色度、濁度などを自動監視することができるため、水道水の状態変化、傾向の認知、突
発事故発生時の地域の特定、対応策など、被害の拡大防止システムが構築でき、安全管理の向上
に寄与することができます。
  さらに、データを蓄積することで、浄水場の最適薬品注入制御にフィードバックし、水道水の
季節変動状態や流達時間による残留塩素の最適値を管理するなど、データの有効活用を図ること
ができ、水運用のコスト削減、各所への情報提供サービスも可能です。

 (*1)残留塩素:塩素処理の結果、水中に残留している有効塩素を指す。
 (*2)色度  :水中に含まれる溶解性物質、およびコロイド性物質が呈する類黄色または黄褐
               色の程度を指す。
               精製水1リットルの塩化白金カリウム中の白金(Pt)1mg、および塩化コバルト
               中のコバルト
               (Co)0.5mgを含む時の呈色に相当するものを1度とする。
 (*3)濁度  :水の濁りの程度を指す。土壌や他の浮遊物質の混入、溶存物質の化学的変化な
               どにより生じ、地表水においては、降水の状況などによって大幅な変動を示す。
               精製水1リットル中に標準カオリン1mgを含むときの濁りに相当するものを1度
               とする。
 (*4)導電率 :水が電流を伝導する能力を指す。水中に溶けているイオン量と各イオンの電気
               を運ぶ速さによって支配される。
 (*5)pH  :水素イオン指数、溶液の酸性、アルカリ性の強さを、実用上の便宜から簡単な
               指数(水素イオン濃度の逆数の常用対数)で表したもの。

■主な特徴
1.業界最小A3サイズの小形化を実現 
    シリコンウェハ上に半導体微細加工技術によって流路を形成したマイクロセルを採用し、上
  水試験法の公定法(DPD法)に準拠した当社のマイクロフローインジェクション分析により、
  配管類の試料水や排水ラインを共通かつ最小化し、3次元流体回路製造技術で一体化したため、
  業界最小のA3サイズを実現しました。これにより、狭い用地が多い配水管網への設置が容易
  です。

2.オンライン計測対応が可能
    水質の検査結果を連続データとして捉えるオンライン計測が可能なため、水質変動の傾向を
  浄水部門の運転支援データに活用できます。また、広がりを持つ配水管網をブロック化した分
  岐点に設置することで、面的な監視が可能となり、安全管理の向上に貢献します。

3.測定の長期安定性を実現
  マイクロフローインジェクション分析法では、測定毎に基準液との比較測定を行って自動校
  正をしているため、セルの汚れなどの影響を受け難くなります。また、セル内に洗浄液を充填
  し、汚れが付着することを防止できます。さらに、残留塩素用DPD試薬を密封することによ
  り、試薬の酸化などの劣化を最小限に抑え、計測精度の長期安定性を実現できます。
■価格および出荷時期
製品名標準価格(税別)出荷時期
配水水質モニタ
「AN570」
680万円平成12年12月21日

■仕 様
測定項目測定方式測定範囲再現性直線性
残留塩素DPD法
(吸光光度法)
0〜2mg/lスパンの±5スパンの±5%
色度透過光測定法0〜20度スパンの±5%スパンの±5%
濁度散乱光測定法0〜2度スパンの±3%スパンの±3%
pHガラス電極法2〜12pH±0.1pH±0.1pH
導電率4電極法0〜50mS/mスパンの±2%スパンの±2%
水温測温抵抗法0〜50℃スパンの±1%スパンの±1%
水圧半導体センサ0〜1MPaスパンの±1%スパンの±1%

項 目内 容
周囲条件周囲温度:0〜40℃、流体温度:0〜40℃(凍結しないこと)
出力RS-232C、DC4-20mA(7チャンネル)接点出力(10点)
寸法(本体)(W)300mm×(H)492mm×(D)187mm
重量約13kg
電源AC100V±10%

                                                                     以 上
 




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