株式会社日立製作所 電力・電機グループ(グループ長&CEO:久野 勝邦)と株式会社日立エンジ
ニアリングサービス(取締役社長:中野 清藏/本社:茨城県日立市)は、このたび、ランナーベ
ーン・ガイドベーン操作を電動化するなど多くの新技術を導入したカプラン水車及び発電機を開
発し、九州電力三芳発電所(大分県筑後水系筑後川)に納入しました。
今回の製品納入は、1937年に九州水力電気株式会社(当時)によって建設された出力4,600KW
の水路式発電所で、竣工以来61年間運転を続け、今回老朽化した水車、発電機及び建物を一新
するリフレッシュ工事の一環として行ったものです。
今回納入した水車、発電設備の特徴は、下記の通りです。
(1)カプラン水車のランナーベーン操作方式の電動化
従来、ランナーベーンの開度調整操作は、回転体への圧油送り込みの為、機械の構造が複雑で
あり、補機の数も多く、保守の面からも課題がありました。今回の改修では、独自の内部構造に
よる電動操作式ランナーベーンサーボモーターを開発し、補機の簡素化、保守の省力化を可能に
しました。電動式ランナーベーンサーボモーターシステムは、可変速の駆動電動機、接続装置、
減速装置、ローラーネジで構成し、可変速駆動電動機をランナー自体の回転に同期制御しながら
ランナーベーンの開度を調整するものです。
(2)スライド可能なガイドベーンサーボモーター架台の採用
従来、九州電力三芳発電所は、半渦巻形水車であるため入口弁が無く、非常時の閉鎖は急速落
下ゲートによって行っていました。今回、ガイドベーンサーボモーター自体をスライドさせ、ガ
イドベーンを閉鎖させる非常閉鎖装置を、九州電力株式会社と共同で開発し、採用しました。本
装置の採用により、大幅なコスト低減にも寄与します。
以上
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