三洋電機株式会社(以下、三洋電機)、日本コロムビア株式会社(以下、日本コロムビア)、
株式会社日立製作所(以下、日立)は、携帯電話機向け超流通方式コンテンツ販売サービスと、
システム開発を行なう新会社「株式会社スーパーコンテンツ流通」を10月2日に設立しま
した。社長には日立をスピンアウトした三瓶 徹氏が就任。三洋電機、日本コロムビアの両社
からも取締役として新会社に各1名、また顧問にコンテンツの超流通方式の提唱者である筑
波大学 森亮一 名誉教授がそれぞれ就任しました。
音楽、ゲーム、書籍などのコンテンツ流通は、従来のパッケージ主体からインターネット
や携帯電話機の急速な普及に合わせ、ネットワークによる配信が注目されるようになってき
ました。ネットワーク配信により、顧客は、必要な時に必要なだけのコンテンツが得られる
ことで、パッケージでは実現できない大きなベネフィットを享受できます。一方で、著作権
者への正当な対価の支払いや違法コピーの問題、通信回線への負荷が大きいことからコンテ
ンツ単価の高さの問題、といったことが課題として指摘されています。
昨年、三洋電機、日立、富士通株式会社の3社で、携帯電話機・PHSに音楽を配信する
システム「ケータイdeミュージック」の技術規格を共同で開発しました。この「ケータイde
ミュージック」では、超流通コンテンツ配信(注)技術が使われており、携帯電話機への直
接配信だけでなく、暗号化された音楽を携帯電話機同士でコピーしたり、CD-ROM、衛星、イ
ンターネット等で取得した暗号化された音楽を、携帯電話機で再生ライセンス鍵を購入して
聞くことが出来るので、大容量のコンテンツでも通信回線に負担がかからないという特徴を
持っています。
新会社は、「ケータイdeミュージック」の技術規格およびこれらを用いたビジネスモデル
(特許出願中)に準拠し、音楽に加え、ゲーム、書籍などの幅広いコンテンツを超流通方式
で配信するものです。当初はPHSを利用した超流通方式のコンテンツ配信でスタートし、
次世代携帯電話機、KIOSKなどに順次拡大していきます。さらに超流通方式を活かしたネット
ワークによるコンテンツレンタル、ポイントカード事業などの販売システムの開発も行って
いきます。
本事業にあたっては、コンテンツホルダーや通信オペレーターなどとも協力し、事業のス
ムーズな立上げを図っていきます。
(注)超流通コンテンツ配信
顧問に就任した 森亮一 筑波大名誉教授が1983年にソフト流通方式として提唱した方式。
コンテンツ情報を「所有する」ことに対価を支払うのではなく、「使用する」ことに対して
料金を支払う仕組みで、情報提供者の権利と利用者の便利さとが保証される。電子的な攻撃
に耐える保護容器と暗号による防御機構が必要である。
■新会社概要
社名/商号 株式会社スーパーコンテンツ流通
本社 東京都品川区
事業内容 コンテンツの制作・販売、システム開発
資本金 1億5200万円
出資比率 日立 46%、三瓶徹 28%、三洋電機 19%、日本コロムビア 7%
社長 三瓶徹
営業開始 2000年10月6日
■事業スキーム
以上
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