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平成12年8月24日 |
“福引”的な使い方が可能な 次世代ICカード向けゲームポイントシステム技術を開発 ─店舗ポイントシステムを想定した ゲーム連動型ポイントシステムを試作─ |
日立製作所は、次世代マルチアプリケーションICカードに向けたゲームポイントシステム技 術を開発し、このシステムを応用して、店舗ポイントシステムを想定したゲーム連動型ポイント システムを試作しました。 本ポイントシステムは、店舗利用によって付加されるポイントの代わりに、カード利用者がゲ ームを実行する権利をICカードに付与するものです。ICカード上でスロットやカードあわせ などのゲームを実行しながら、結果次第で高ポイントを獲得できるICカードの“福引”的な使 い方を可能とし、ポイントカードをより楽しく利用できるようになります。 また、今回開発したポイントシステムでは、ICカードが備えている高セキュリティ性を活か し、店舗側が、ポイントシステムを安全に運用できるという特長も持っています。 試作したシステムは店舗ポイントシステムを想定していますが、今回開発した技術は、決済系 などの従来のICカード応用分野に加え、楽しみながらカードを利用できるアミューズメント分 野への応用を開くものであり、次世代ICカードの普及を促進する技術として期待できます。 世界的な電子商取引の普及や偽造カードによる被害拡大などに伴い、高セキュリティ・高機能 を特徴とするICカードに対する期待が高まっています。ICカードは、暗号処理などによるセ キュリティの高い情報格納装置としてだけでなく、カード内部でプログラムを実行できる「カー ドの形をした安全なコンピュータ」として発展しています。CPUに汎用OSを搭載した次世代 ICカードでは、安全性を確保しながら発行後のカードに複数のアプリケーションプログラムを 搭載し、多機能カードとして利用することが可能です。このため、電子マネーやクレジットなど の決済手段、企業内のセキュリティ管理、デジタル証明書によるネットワークへの安全なアクセ ス、個人情報の安全な格納など、幅広い分野での利用が予想されます。さらに、セキュリティの 高さとプログラムを搭載できるという次世代ICカードの特長を活かした利用者が喜ぶ新しい サービスを加えれば、その普及はより加速すると考えられます。 このような背景から、当社では、楽しみながらICカードを利用できるサービスの提供を目的 として、次世代ICカードを用いたゲームポイントシステム技術を開発しました。 開発したゲームシステムの特長は、新しいゲームを追加する場合でも、アプリケーションプロ グラムの追加・変更が不要であるため、ゲームのバリエーションを容易に広げて利用することが 可能な点です。マルチアプリケーションICカードではアプリケーションプログラムを追加・変 更する場合、一般に、カードのセキュリティ保持のために所定の認証・登録手続きが必要となり ます。そこで、今回、ゲームの基本部分はカードプログラムに内蔵させ、ゲームの実行手順をデ ータ化した“ゲーム定義スクリプト”を追加・入れ替えて利用できるシステム構成としています。 これによって、ゲームの変更が容易となり、カード上のアプリケーションプログラムを変更せず に複数種類のゲームを実行可能としました。 今回、本技術を店舗のポイントシステムに応用し、次世代ICカードを用いたゲーム連動型ポ イントシステムを試作しました。本ポイントシステムでは、カードの利用に応じて店舗からゲー ムがカードに配布され、カード利用者はゲームを実行した結果によってポイントを獲得します。 ゲームの結果次第で一気に高ポイントを獲得できる“福引”の要素を持つ一方、乱数発生や値の 比較・ポイントの追加処理などゲーム実行の本体部分はカード内部のプログラムで行われるため、 ゲームを不正に行ったり、不正にポイントを加算したりすることが困難で、安全な運用が可能で す。 当社では、今回開発したゲームシステム技術により、決済系などの従来のICカード応用分野 に加え、楽しみながらICカードを利用できるアミューズメント分野への応用が開かれ、次世代 ICカードの普及が促進されると期待しています。 以上
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WRITTEN BY Corporate Communications Division |