株式会社 日立製作所(社長:庄山悦彦、以下日立)、日本オラクル株式会社(社長:佐野 力、
以下日本オラクル)は、このたび、金融ERP分野においてソリューションの共同開発・販売をしてい
くことで基本合意しました。両社は、今回の合意に基づき、日立内に金融ERPソリューションの商品
化、マーケティングリサーチ及び販売活動の拠点となる専門組織「金融Appsコンピテンスセンタ」
を7月21日に設置します。
金融業界では、業務提携や合併、持ち株会社の設立など業界再編が進展し、加えて2002年での導入
が予定されている国際会計基準に対応するために、財務会計システムや管理会計システムなどの再構
築や金融持ち株会社におけるシェアードサービス(*1)にかかわる情報システムの構築が急務となって
おり、従来まで個々に管理されていた財務や人事などの基幹系業務システムを統合し、効率的な経営
を実現するERPパッケージの導入ニーズが金融機関で高まっています。
(*1)人事や経理など間接部門が提供する各種サービスを複数企業で共用すること。
日立では、金融機関の経営戦略、チャネル戦略、商品戦略などに対応した金融業務ソリューション
「Solutionmax for Finance」を商品化し、平成10年8月から提供しています。
日本オラクルでは、ERPパッケージ「Oracle Applications」を核にして、平成11年6月より銀行向
け情報系アーキテクチャー「Apps Banking」をもとに財務会計システム、経費システム、人事システ
ムなどの提案活動を行っています。
両社は日立の「Solutionmax for Finance」と、既に国内での導入実績のある日本オラクルの銀行
向け情報系アーキテクチャー「Apps Banking」、金融機関の持株会社化に対応した情報系アーキテク
チャー「Apps Financial」を融合させ、日立の大手金融機関をはじめとした信頼性の高いシステム
インテグレーション力とオラクルの金融機関における「Oracle Application」導入技術、ノウハウや
データベース技術などの両社の強みを活かし、金融ERPソリューションを共同開発、販売していきます。
本ソリューションは、平成12年10月から提供を開始する予定です。そのため、7月21日付けで日立の
ビジネスソリューション開発本部内に、日立15名、日本オラクル5名の合計20名の技術者、マーケティ
ング担当者により構成される専門組織「金融Appsコンピテンスセンター」を開設します。今後はビジネ
スの拡大に対応して、順次拡大していく計画です。
両社は当面、同センタにおいて外部コンサルティングファームや金融機関などとも連携しながらマー
ケティングリサーチを行い、金融業務ノウハウを蓄積し、金融ERPソリューションを開発していきます。
今後、金融ERP分野だけでなく、次期情報系分野についても協力していく方向で検討を進めており、金
融情報システム市場におけるビジネス拡大を目指します。
■金融Appsコンピテンスセンタの概要
(1)場所:株式会社 日立製作所 ビジネスソリューション開発本部内
(2)人員:日立15名(技術者、マーケティング担当者)
日本オラクル5名(金融Appsコンピテンスセンタ支援) 合計20名
(3)機能:(1)金融機関への提案活動の拠点
外部コンサルティングファームや金融機関と連携による金融ERP分野にかかわ
るノウハウの蓄積と両社による提案活動の推進
−ASPなどの新たなビジネスモデルの提案
−金融ERPソリューションの提案
−日立と日本オラクルの共同セミナーの実施など
(2)テクニカルスキルの提供
日立のこれまでの大手金融機関をはじめとしたシステム構築ノウハウとオラクル
社の海外金融機関におけるOracle Applicationsの導入技術、ノウハウを融合させ
管理会計の再構築や勘定系など既存システムとの連携、エンタープライズデータ
ウェアハウスの構築などの広範なテクニカルノウハウを互いに提供
−導入コンサルテーションの提供
−デザインテンプレートの開発・提供
(3)ソリューション企画
管理会計、リスク会計、戦略会計などの金融ERPソリューションの商品企画
−原価管理(ABC(*2)/ABM(*3))の導入
−リスク調整後収益、バランスドスコアカード(*4)などの戦略業績指標の導入
(*2)Activity Based Costing(活動基準原価計算)原価計算手法の一つ。
(*3)Activity Based Management(活動基準原理)ABCにより算出したデータをもとに業務
を分析改善する手法。
(*4)企業戦略や企業目標、具体的に実現するための業績評価システム。
■販売計画
5年間で売上高300億円(ハード、ソフト、関連システムを含む)
本文中に記載のその他の製品名・企業名・団体名は、それぞれ該当所有者の商標となっています。
以上
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