株式会社日立製作所 電力・電機グループ(グループ長&CEO:久野勝邦)は、このたび、丸紅
カナダ、SNC-Lavalin社と共同で、カナダ サスカチュワン州電力会社より、クイーンエリザベ
ス発電所既設火力設備のリパワリング*用途として、当社製の25MWガスタービン発電設備6式を
受注しました。
*既存の発電設備にガスタービンと排熱回収ボイラを追設して、コンバインドサイクル化する改修
現在、老朽化が著しい既設の火力発電設備は、排ガス増大による地球環境問題、発電効率低下
によるコスト増加など、様々な問題を抱えています。特にカナダのプラントの多くは、運転年数
が20年以上を超えており、老朽化が著しく、既存の発電設備を活かしながらコンバインドサイク
ル化し、また一部設備を最新鋭の機器に取り替えることによって、稼働率を向上させ、高効率で
運用し、排ガス量を削減した地球にやさしい発電設備への改修が求められています。
今回の受注したリパワリングは、既存設備を活かしながら、コンバインドサイクル化し、発
電所の効率を30%から45%に高め、排ガス量を年間20万トン削減し、更に当社新開発のDry Low
Nox Combuster採用によりNox値を大幅に低減させる地球環境に配慮したものです。
今回納入予定の当社製ガスタービン発電設備「H-25型」は、これまで当社が蓄積してきたノウ
ハウと研究成果を反映し、特に排熱回収ボイラとの組合せによるコンバイドサイクル発電プラン
トとして最高の熱効率が可能になるように設計されています。「H-25型」は、高い信頼性と高性
能が評価され、この一年間で、海外では8台の受注を得ています。
当社は、カナダにおいて、1971年にカナダ クイーンエリザベス発電所に100MW蒸気タービン
設備を納入して以来、約30年間にわたり19台の蒸気タービン発電設備がを納めてきました。ま
た、2000年2月には、アトコ(ATCO)電力会社、サスカチュワン州電力会社とそれぞれインター
ネットを介した保守技術サービス契約(Technical Service Agreement)を締結するなど、幅広
くビジネスを展開しています。
加えて当社は、1988年、サスカチュワン州に、主にタービン、発電機の製造を行うHitachi
Canadian Industries社(HCI社)を設立し、地域との密接な連携のもと、事業を進めてき
ました。今回の受注を機に、HCI社をガスタービン及び既存の火力発電設備のメインテナン
スセンターとして拡充し、北米市場におけるビジネスを拡大する方針です。
以 上
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