日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 石橋 正)は、このたび、平成12
年度の半導体事業における設備投資額を、これまでの最大規模である2,040億円の予定
とすることを決定しました。
最近のエレクトロニクス業界においては、パソコン及び周辺機器を中心とした情報機器
と、携帯電話の需要が好調に推移しており、今後も堅調な伸びが予測されます。特に携帯
電話は、各地域での加入者増加に加え、インターネット接続モデルの普及が進展し、引き
続き高い成長が見込まれます。
半導体生産も好調な電子機器生産により高成長となり、今後もデジタルカメラやDVD
プレーヤーなどデジタル民生機器や、ルーター、モデムなどのインターネット関連機器、
またGSM、CDMAや次世代のW-CDMAに対応する携帯電話機器向けなどに、マイコ
ン、ロジックなどのシステムLSI、フラッシュメモリ、SRAMのシステムメモリを始
め、半導体製品全般で需要拡大が期待されます。
このような状況下、日立では、リソースの効率的な配分と、「フラッグシップ製品」を
急成長分野に集中させることにより、半導体事業の拡大を目指します。「フラッグシップ
製品」とは、世界的に優れた技術で、当社の強みとなる技術を最大限に活かした製品のこ
とです。
当社の半導体事業において、2,000億円規模の設備投資は、過去最大規模となります
が、UMCとの合弁会社「トレセンティテクノロジーズ(株)」や、新日本製鉄(株)と
シンガポール経済開発庁との合弁会社「日立日鉄セミコンダクタ(シンガポール)社」な
ど、アライアンス・パートナーとの連携により、投資リスクの回避及び経営資源の効率的
活用を行っています。
当社が、平成12年度に予定している2,040億円の設備投資の主な用途は、次の通り
です。
●日立LSI製造本部N2棟(N2)でのシステムLSIやシステムメモリへの製品
転換・増産への投資。
●日立LSI製造本部N3棟(N3)の内装・用役への投資
●トレセンティテクノロジーズが平成12年3月の設立時より連結対象子会社となり、
新会社の平成12年度の設備投資額700億円を新たに追加。
●GSM用のハイパワーアンプとアナログLSI増産への投資。
●日立日鉄セミコンダクタ(シンガポール)社での生産能力増強への投資。
日立では、生産拠点の集約化や他社とのアライアンスにより、技術開発や製品化のスピ
ードアップ、またコスト競争力の向上を図っています。当社では、300mmウェーハラ
インにも積極的に取り組んでおり、平成12年3月にUMCと300mmウェーハ対応の
半導体製造合弁会社「トレセンティテクノロジーズ(株)」を設立しました。トレセンテ
ィテクノロジーズでは、平成12年度に700億円の初期投資を行い、平成13年4月か
らシステムLSIやシステムメモリの量産を開始する予定です。生産工程をすべて枚葉化
することにより世界一のコストパフォーマンスとQTATを目指し、投資効率の最大化を
図ります。
また、GSM仕様携帯電話においては世界市場の約60%を占めるトップシェア製品で
あるGSM用ハイパワーアンプの増産へ積極的に投資を行いマーケットリーダーを堅持し、
携帯電話分野での旺盛な需要に対応していきます。
N2では、システムLSIやシステムメモリーの製品転換・増産への設備投資を行い効
率化を図ります。DRAM生産については、日立日鉄セミコンダクタ(シンガポール)社
へ集約させ、生産能力増強への投資と更なる収益性改善を目指します。
なおDRAM事業については、NECとの合弁会社「NEC日立メモリ(株)」で、本
年4月1日から設計・開発業務を開始するなどアライアンスを通じて、効率的な事業運営
を推進していきます。
以 上
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