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平成12年3月22日
世界最高速の光ネットワーク用スイッチを試作
オフィスのPCを利用した並列コンピュータが可能に
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                                 株式会社日立製作所 
                          技術研究組合 新情報処理開発機構

 日立製作所と技術研究組合新情報処理開発機構(RWCP)は、この度、慶應義塾大学理工学部天
野研究室の協力を得て、超高速の光ネットワーク用スイッチを試作し、その稼働に成功しまし
た。本スイッチは8ギガビット/秒の高速光インタフェースを8ポート有し、単体で総容量64ギ
ガビット/秒の世界最高速のネットワーク処理を実現します。これにより、オフィスにある複
数のPC(パーソナルコンピュータ)を光ネットワークで結ぶ未来型の並列コンピュータの実
現が加速されるものと期待しています。

 安価で使いやすいPC同士をネットワークで接続したPCクラスタという概念が、並列コンピュ
ータを低コストで実現できる技術として注目されています。特に近年、PCやワークステーショ
ンの単体性能の向上が著しいことから、パソコン間をつなぐネットワークの通信性能さえ充分
であれば、専用大型並列計算機に匹敵する計算性能を引き出せる可能性が見えてきました。
 しかし、従来のネットワークにおいてはスイッチのデータ入出力系における伝送帯域がネッ
クとなり、十分な通信性能を確保することが難しい状況にありました。そこで日立とRWCPでは、
PC間のネットワークに高速光伝送技術を導入し、PC間の通信速度と通信距離の飛躍的な向上を
可能とするRHiNET(RWCP High-performance Network)という新しい概念のネットワークシス
テムを開発しています。このRHiNETでは、高性能なコンピュータ環境を自由なレイアウトで実
現できるので、オフィス内やビル内のパソコン群をそのままの状態で、あたかも一台の高性能
計算機として動作させる事も可能になります。

 今回開発した技術は、上述のRHiNETシステムを実現するためのキー技術となるネットワーク
スイッチです。PCを光ネットワークで結ぶ際に、光信号と電気信号を並列計算機に匹敵する高
速で通信するものです。その特長は、以下の通りです。
(1)周辺回路とのインタフェースを高速光入出力用に最適化すると共に、大容量メモリ(512
   キロバイト)をチップ内に搭載した、ワンチップでの通信容量がクラス最高速となる64
   ギガビット/秒を実現したクラス最速の高機能CMOS(注1)スイッチLSI。
(2)8.8ギガビット/秒の超高速並列光インタコネクトモジュール。
(3)低ノイズかつコンパクトな、光ネットワークスイッチ搭載ボード実装技術。
  以上3つの技術の融合により、総容量64ギガビット/秒(8ギガビット/秒×8ポート)の8×8
のクロスバスイッチを1ボードで実現しました。
  
 本スイッチはPCクラスタ等に用いられている従来技術に比べ、10倍以上となる100mの距離
での通信が可能です。さらに、実動作試験を行った結果、通信エラーのない高信頼性(ビット
エラーレート換算で10-11以下)を確認しました。このように、本スイッチにより、ネットワ
ーク接続されたオフィスやビル内の複数のパソコンを自由に組み合わせて高性能並列計算機と
して使用する未来型の並列コンピュータの道が拓けたものと言えます。
 今後はパソコン側のネットワークインタフェースを開発し、平成12年度末には、128ノード
の並列計算機システムとして完成させる予定です。

(注1) CMOS:相補型金属酸化物半導体。最も汎用性の高いSI半導体です。この量産性に優
     れたSI半導体を用いて高機能で高速な光ネットワークスイッチを実現しましたこと
         が特長です。


                                    以上






 












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