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平成12年3月21日
日本語文章による入力で手話アニメーションを
自動生成する「日本語−手話翻訳技術」を開発
−手話を知らない人もPCで簡単に手話翻訳が可能に−
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 日立製作所は、このたび、日本語の文章を入力すると3次元コンピュータグラフィクスの手話ア
ニメーションを自動生成する「日本語−手話翻訳技術」を開発しました。
 本技術は、日常使用している日本語文章を単語単位に自動分割し、新開発の手話知識データベー
スを用いて手話へ自動変換するため、手話を熟知していないユーザーでもパソコン上で簡単に手話
アニメーションを作成することが可能になります。
 例えば、「階段を上がる」という文章は、「階段/上がる」という日本語単語列に変換されます。
手話では「上がる」の目的語により、手話動作(手話単語)が異なりますが、新開発の手話知識デー
タベースにより、目的語との関連を自動認識し、正しい手話動作をアニメーションで表現できるよ
うになります。バリアフリー社会の実現に向けて、聴覚障害者と健聴者とのコミュニケーションを
サポートする技術です。

 聴覚障害者にとって、手話は自然なコミュニケーション手段であり、聴覚障害者の社会活動を支
援するために、手話による情報提供は必要不可欠です。日立製作所では平成10年10月より、パ
ソコン上で手話アニメーションを作成・編集するソフトウエア「Mimehand(マイムハンド)」を販
売しており、聴覚障害者向けの情報提供支援ツールとして、本年1月18日には「第7回メロウ・
グランプリ(メロウ・ソサイエティ・フォーラム主催)」優秀賞を受賞するなど高く評価されてい
ます。

 今回、日立では、手話によるコミュニケーションをサポートする新技術として、日常使っている
日本語文章を入力して手話アニメーションを自動生成する日本語−手話翻訳技術を開発しました。
手話には独特の慣用表現があるため、日本語文章と手話との対応付けは大きな課題でした。
 そこで、本技術ではこれを自動化するために、入力された文章を形態素解析して単語単位に自動
分割し、新たに開発した手話知識データベースに格納されている日本語の単語に関する情報(表記
や品詞の種類、文章中で一緒に用いられることが想定される単語)と、各単語に対応する手話単語
の見出しにより、日本語文章と手話とを対応付けします。これにより、手話独特の慣用表現にも対
応した自動変換を行い、変換後の手話の単語列を元に、手話動作データベースを用いてアニメーシ
ョンを自動生成します。

 本技術による日本語文章の翻訳機能を持つ手話アニメーション作成システムが実現すれば、手話
を熟知していないユーザでも容易に利用できるため、聴覚障害者への手話による情報提供の機会の
拡大が図れます。また、本技術は、日常使っている日本語文章による入力ができるため、音声認識
技術との融合により、音声入力方式の日本語−手話翻訳システムの実現にも道を開きます。

■ 本技術の特徴
1.高速形態素解析を応用した日本語単語列の自動生成
 入力された日本語文章に対して形態素解析を行い単語単位に自動分割し、日本語の単語列を生成
します。同時に単語の品詞や動詞の時制情報を抽出します。

2. 手話知識データベースを用いた手話単語列への自動変換
 手話知識データベースを用いて、日本語単語列から手話の単語列への自動変換を行います。手話
知識データベースには日本語の単語情報(単語の表記、品詞の種類、文章中で一緒に用いられるこ
とが想定される単語(共起単語))と、各単語に対応する手話単語の見出しが格納されており、こ
れを活用し日本語単語列と手話単語列の対応付けを行います。
 例えば、「階段を上がる」という文章は、「階段/上がる」という日本語単語列に変換されます。
手話では「上がる」の目的語により、手話動作(手話単語)が異なり、手話知識データベースでは
以下の通りとなります。
表記品詞共起単語手話単語見出し
上がる動詞階段上がる(階段)
成績上がる(成績)
 そこで、「階段/上がる」という日本語単語列は、「上がる(階段)」という見出しで示される
手話単語へ自動変換されます。

3. 指文字を用いた固有名詞等の表現
 人名等の固有名詞や辞書登録されていない単語は、自動的に指文字や単漢字の手話表現に自動変
換されます。

 なお、本内容は、3月28日から広島県で開催される「電子情報通信学会」で発表する予定です。
また、本技術は、当社が製品化している手話アニメーションを作成・編集ソフト「Mimehand(マイ
ムハンド)」の次期製品に搭載予定であり、今年中の発売を予定しています。

                                       以 上
















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