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平成12年3月16日
CDMA方式を使った高精度位置検出技術を開発
―屋内においても位置検出が可能―
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 日立製作所中央研究所は、この度、CDMA方式を使って、10m以下の測位精度をもつ高精度
位置検出技術を開発しました。本技術は、GPS(Global Positioning System)を使わずに、
セルラ基地局を衛星に見立て、そこから送信される電波を使って、測位を行う方式であり、
従来のこのタイプの測位技術に比べて、屋外で約10倍の精度を実現しました。また、GPSで
は難しかった屋内においても屋外と同程度の精度で携帯端末の測位ができます。この技術に
よって、測位機能付き端末の小型化が図れるほか、屋内外を問わない端末位置検出技術であ
ることから、利便性の向上が期待できます。

 携帯電話については、端末に測位機能を持たせることにより、ナビゲーションやガイド、
自分の位置を通信相手に教えると言った新たなサービス分野の開拓が期待されています。
 現在、端末の位置を測定する方法として、低軌道を周回するGPS衛星からの電波を受信し、
その伝搬距離から携帯端末の位置を割り出す方法が、主流となっています。GPSを用いる方
法は、受信電波の補正情報を用いるDGPS(Differential GPS)方式を採用することで、測
定精度が屋外で5mといった高精度な位置検出が可能です。しかし、屋内ではGPS衛星から
の微弱な電波を受信することができないため、測位できなくなるという欠点がありました。

 今回、開発を行った、セルラ基地局を衛星に見立て、そこから送信される電波を使って
携帯端末の測位を行う方法は、GPS信号を受信する必要がなく、携帯電話として本来受信す
る必要のあるセルラ基地局の信号のみを使うことから、端末の小型化が期待できます。ま
た屋内でも使用可能なことから利便性でメリットがあります。しかし、従来、この方式で
は測定精度が屋外でも100m程度と十分ではありませんでした。

 今回開発した測位技術では、端末は多数の基地局から発信される電波を同時に受信し、
各基地局と携帯端末間の距離を測定します。得られた距離から端末位置を推定する三角測
量では、測量に使用する基地局を最適選択する新たな過程を加えることで、測定誤差を最
小に抑えることができます。これにより測定精度は、屋外、屋内共に10m以下となり、従
来に比べ格段に向上させることが可能となりました。屋内で測位できることによって、端
末携帯者が居る建物を推定することが可能となり、ナビゲーションや人を捜索する場合の
利便性を大幅に向上させることができます。またGPSなしでも高精度な測位が可能なこと
から、GPS用のアンテナや受信回路をもつ必要がなくなり、端末の小型化や低消費電力化
が期待できます。

今回開発した測位技術は、CDMA方式に有効で、cdmaOneやcdma2000、W-CDMAといったシス
テムへの適用が考えられます。今後は、測位機能付き端末を試作し、フィールド試験によ
る実検証を行うとともに、一層の小型化、利便性の向上を目指した方式の開発を進めてい
きます。


                                  以 上







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