株式会社 日立製作所(以下 日立) 通信・社会システムグループ(グループ長&CEO林
將章)は、米国QUALCOMM社(本社 カリフォルニア州サンディエゴ市)との間でHDR
(High Data Rate)方式携帯電話システム事業について協力していくことで合意をしました。
この合意に基づき、両社はHDR方式の携帯電話システムの共同開発を行うとともに、
2000年中頃をめどに、フィールドトライアルを行う予定です。トライアルでは、HDRの
無線リンクのパフォーマンス試験、機能試験、分散型IP(Internet Protocol)ベースアーキ
テクチャおよび高性能アクセスポイントの評価等の実施を計画しています。また、そのトライ
イアルの結果を受け、日立は商用機の開発と製造を行います。
HDR方式の携帯電話システムはQUALCOMM社が基礎開発した、データ通信に最適化
したCDMA携帯電話システムで、 1.25MHzの帯域で最大 2.4Mbit/sまでのデ
ータ通信を可能にする高効率性や、パケット通信に着目したIPベースのアーキテクチャを採
用していくこと、既存のcdmaOneネットワークと高い互換性があるため基地局のサイト、アン
テナ、アンテナタワーの共用が可能であること等の特徴を持っています。
本方式では、ハンドセット型、ラップトップ型、ハンドヘルド型等、各種の端末を使用した、
高速なインターネット及びデータ通信が可能です。これによりエンドユーザーは、モバイル環
境においても、信頼性の高い e-mail,Web検索、電子商取引、テレマックス等の各種サービス
を利用することができます。
HDR方式については、11月9、10日に米国サンディエゴで開催されたHDR'99に
おいて、世界各国のキャリア、メーカー参加のもとで、移動通信環境における高速データ通信
等の公開実験がおこなわれ、世界各国から大きく注目が集まりました。日立としても、次世代
の携帯電話システムとしての成長が期待できるシステムであると考えています。
日立とQUALCOMM社とは、平成8年12月に、CDMA携帯電話システムに関するラ
イセンス契約、平成9年3月には同システムに関するアライアンス契約を締結して、協力関係
の強化に勤めてきました。今回のHDR方式に関する合意も、こうした協力関係の上になされ
たものであり、両社は今後とも、市場をリードするシステムの提供に向け協力関係をさらに発
展させていきます。
以上
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