2003年10月22日
株式会社 日立製作所
国内初のEA専任組織「EAコンサルテーションセンタ」を設立し、
「公共システム最適化ソリューション」を提供開始
日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:古川 一夫、以下、日立)は、このたび、政府調達の前提として導入される概念「エンタープライズ・アーキテクチャ(以下、EA)(*1)」に対応し、EAに基づき上流工程から下流工程まで一貫したサービスを行う「公共システム最適化ソリューション」を11月1日から提供開始するとともに、同日付で国内初のEAに基づいたコンサルテーションを行う専任組織「EAコンサルテーションセンタ」を公共システム事業部内に設立し、年間2兆円にのぼると言われる官公庁、自治体の情報システム市場に向け、電子政府・電子自治体事業を強化します。
「公共システム最適化ソリューション」は、専任コンサルタントが、EAに基づいた現行システムの分析、目標の整理・作成支援、移行計画の策定を行い、それを受け、システムエンジニアがEAに基づいたシステム提案、構築、移行を行います。さらに、構築したシステムの運用評価を専任コンサルタントが行い、システム改善を継続的に支援します。
「EAコンサルテーションセンタ」では、ノウハウの収集と蓄積を行い、社内での効率的な活用を進めます。また、同センタでは、「公共システム最適化ソリューション」を提供するEAのコンサルタント・SEを順次育成し、2005年度までに1,000人にする予定です。
電子政府や電子自治体の実現に向け、申請・届出など手続きや調達手続きの電子化にともない、システム構築や基盤整備が個別に進められてきました。しかし、府省間・自治体間でのネットワーク化にともなう相互利用、企業・国民へのネットワークによる行政サービス提供が進みつつある中、従来のように個別にシステムを最適化するだけでは、業務の複雑化やITの重複投資などの効率面での問題が生じます。それを解決するための手法・概念としてEAが注目されています。
アメリカにおいては、すでに、政府情報システムの全体最適を図るため、1996年に連邦政府機関でEAの策定が義務付けられるなど、政府機関の予算要求時にEAに基づく計画の明確化を義務付ける法律が制定されています。
日本においても、2003年7月に公表された「電子政府構築計画」の中で、「業務・システムの最適化計画(EA)策定」を、全府省において2006年3月までに行うことが謳われております。官公庁、自治体の情報システム市場は、年間2兆円といわれており、将来的には、そのほとんどすべての調達がこのEAに基づいて実施されることが想定されます。
日立は、従来から、情報システムを短期間で効率良く構築する手法として、情報システム統合計画技法「HIPLAN(*2)」やシステム開発方法論「HIPACE(*3)」といった独自の情報システム開発体系を整備し、業務プロセス見直し、費用対効果分析などによる情報化計画策定、システム化構想立案のコンサルテーションを多数の官公庁、自治体に対し提供してきました。今回、新たに提供する「公共システム最適化ソリューション」は、「HIPLAN」、「HIPACE」をEAの観点で再構築したものです。
今回強化した内容は下記の通りです。
日立は、今回、電子政府・電子自治体分野を対象にEAに対応した事業強化を図りますが、順次、産業、流通、金融などの各分野への拡大も行います。
以上