2002年4月16日
株式会社 日立製作所
Anoto AB
―手書き情報を電子政府・電子自治体で活用可能に―
株式会社日立製作所 情報・通信グループ(本社:東京都千代田区 グループ長&CEO:小野功 以下、日立)とAnoto AB(本社:スウェーデン・ルンド市 創設者 代表取締役社長/最高経営責任者:クリステル・ファーレウス 以下、アノト社)は、国内で豊富な導入実績を持つ日立の電子行政分野における構築ノウハウおよびセキュリティ技術と、手書き情報を筆記と同時にデジタル化するアノト社のデジタルペン技術により、電子行政で活用可能なデジタルペン応用ソリューションを共同開発し、世界の市場に向け販売することでこのたび合意しました。具体的には日立とアノト社は基盤製品になるEPLS(Enterprise Paper Look-up Service)を開発します。例えば、キーボードやマウス操作など行わずに行政機関への電子申請が可能になります。日立は特に日本における電子行政の分野のみならず一般企業へも順次適用していく予定です。
アノト社が開発したデジタルペンとデジタルぺーパー、および基盤サーバ製品を利用すると、紙に書かれた情報が瞬時に、EメールやFAXの形で表示されます。
今回共同開発を行うソリューションでは、Eメールなどの汎用的なサービス以外に紙への手書き情報をデジタルペンからパソコンへ取り込み、企業や行政など組織内での活用を可能とします。さらに、デジタルペンから取り込む情報を文字認識技術によりコード化することで、既存の業務システムでの活用も可能とします。例えば、このソリューションを電子行政分野で応用すると、転入転出届や住民票交付などの申請業務において、住民が手書きした内容と使用した用紙種別が自動的に識別され、住民記録など対応する業務システムへデータが送信されます。これにより行政機関では、住民による手書き申請情報を職員がコンピュータ入力し直す手間を省くことができ業務の効率化が図れ、窓口における住民の待ち時間も短縮できます。また住民は、電子行政実現後も、キーボードやマウス操作などを行わず従来通り申請書へ手書き記入するだけで電子申請が可能になります。
両社では、本年4月から共同開発に着手し、2003年第2四半期に製品化、提供開始する予定です。なお、本技術は日立電子行政ショールーム「CyberGovernment Square」(サイバーガバメント スクエア)へ展示し、マーケティング活動を実施します。
日立では、政府が2003年度を目標に推進している電子政府、電子自治体の実現に向け、1999年に国内向けの電子行政ソリューション「Solutionmax for CyberGovernment」を発表、電子政府実現において重要となるセキュリティや認証などの基盤技術とこれらを統合的に利用した各種電子行政システムを開発、提供してきました。また、従来の窓口によるサービスや新たなインターネットによるサービスなど、行政への多様なアクセス手段を提供する「ハイブリッド型行政サービス」を提案し、情報キオスク端末やOCRシステム、電子申請/窓口基盤ソフトなどを提供してきました。今回共同開発するデジタルペン応用ソリューションも、「ハイブリッド型行政サービス」を実現するソリューションメニューの一つとして提供していきます。
アノト社は、紙を媒体としたデジタルコミュニケーションのデファクトスタンダード確立を目指し、さまざまな分野のパートナー企業と連携を深めてまいりました。 今日までに、ヨーロッパ、アメリカ、そしてアジアにおいて、およそ50社とパートナーシップを構築しています。
「紙とペン」という人類の最も普遍的なコミュニケーション手段を、アノト独自のパターンに加え、最先端の画像処理技術、Bluetooth(TM)によるワイヤレス技術と情報インフラを融合し発展させ、手書きの情報を、より直感的に、人間らしく、そして自分らしく、デジタルワールドへともたらす、それがアノト・ファンクショナリティです。 アノト・ファンクショナリティは、「紙とペン」のまま、デジタルコミュニケーションを可能にします。
また、Anoto ABは、先ごろ、日本市場向けにマーケティング専門会社 アノトコミュニケーションズ株式会社を設立しました。 アノト・コンセプトの本格普及を目指し、アノト事業推進協議会(仮称)を組織化する予定です。
日立は日本市場においては、デジタルペン応用ソリューションを3年間で約10億円(ソフトウェア)の売上高を目指します。
Anoto ABは、スウェーデンのルンド市に、C Technologies ABの子会社として、1999年後半に設立されました。 社員数は、現在約220名です。 (オフィス:スウェーデン国内/ルンド、ストックホルム 海外/ボストン、東京、香港)
以上