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Hitachi

 

2000年11月27日
株式会社 日立製作所

株式会社 亀田医療情報研究所と
電子カルテシステムについて技術提携

電子カルテ事業に本格参入

株式会社日立製作所 公共システムグループ(グループ長&CEO:中村 博行、以下、日立)は、このたび、電子カルテ分野において豊富な実績を持つ医療関連総合コンサルタント株式会社亀田医療情報研究所(代表取締役:亀田 俊忠、以下、亀田)と、病院事務の効率向上や患者へのサービスの向上を実現する電子カルテシステムについて技術提携を行うことで合意しました。 今回の提携で、日立は、亀田の持つ電子カルテシステム「KAI」の技術情報や同システムの運用に関するノウハウの提供を受け、自社の医療情報システムの開発技術もベースに電子カルテシステムを2001年度中に製品化する予定であり、今後普及が見込まれる電子カルテ市場に本格参入します。

提供を受ける主な技術情報

1.ナビゲーションケアマップ(クリティカルパス)に関する情報

個々の患者に対する医療行為の予定や実施履歴を見やすい表形式で管理するシステムです。
患者に対するインフォームドコンセント(*1)への利用はもとより、医療スタッフ間の情報共有 および連携による「チーム医療」が可能となります。

2.診療録など電子カルテ入力用テンプレートとその編集画面に関する情報

医師や看護師らが、診療結果などを電子カルテシステムへ情報を入力する際の補助画面です。簡単な選択式入力が中心ですので、煩わしい入力作業が軽減されます。また、入力後のデータは、他の医療情報システムでの二次利用も可能となります。

3.電子カルテの運用に関するノウハウ

亀田では、医療現場での運用実績に基づく電子カルテシステムの開発に加え、既存の紙カルテの電子化や、紙カルテと電子カルテを併用する際の効率的な手法などについて豊富なノウハウがあります。

日立では、これら亀田の技術やノウハウを取り込み、当社の持つ、医師や看護師らが処方や検査などの各種指示を行うオーダエントリーシステムや医事会計システムと連動した電子カルテシステムの製品開発を行います。これにより、医師や看護師による診療記録や各種指示(オーダ)、処置・注射などの実施情報入力から会計処理、レセプト発行までの一連の業務を支援する医療情報システムの構築が可能となり、診察・検査・薬・会計などの待ち時間の削減やインフォームドコンセントの充実などの患者サービスの向上が図られます。また、患者個人ごとの診療情報データベースや研究用症例データベースの構築などもできるようになり、病院が提供するサービスの幅を広げることができます。さらに、病院事務の効率化はもちろん、病院経営に必要な各種情報がタイムリーに把握できるようになり、病院全体の経営効率向上に役立ちます。
これにより、2003年までに電子カルテ事業として、年間150億円の売上を目指します。 医療機関では、1999年4月の「診療録等の電子媒体による保存」を認可する厚生省局長通達などを受け、電子カルテシステムをはじめとする病院の情報化に対するニーズが高まってきています。
また、厚生省の外郭団体である医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)や保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS)では、電子カルテに関して、部門間でのデータ交換に関するインタフェースおよび病院間や病院と診療所間でのネットワークを介したデータ交換に関するプロトコルの標準化などを進めており、日立からもこれらの各専門委員会やワーキンググループに参画しています。
亀田は、亀田クリニックと亀田総合病院の情報管理部門が独立して、1995年に設立されました。 同年から電子カルテシステムの運用を開始しており、5年以上の運用実績を有している同社は、電子カルテシステムを中核とした病院情報システムのシステムベンダーであるとともに、自らのエンドユーザとしての経験を活かして、医療に関する各種研修やセミナーの実施から医療関連分野における調査・研究、医療業務および医療経営のコンサルタントなど、幅広く事業展開しています。
日立では、1971年に大規模医事会計システム、1975年にはオーダエントリーシステムを稼働させており、1984年からはパッケージシステム「HIHOPSシリーズ」を販売しています。現在は、「医事会計システムHIHOPS-CS(医事)」「診療支援システムHIHOPS-SS(オーダ)」を中心に提供しており、200以上の導入実績があります。また、1996年には、鹿児島大学附属病院と離島の診療所をネットワークで結んだ「鹿児島県遠隔画像診断支援情報ネットワークシステム」の構築や、医療機関と共同で、遺伝子疾患解析システムやPET検診システムなどの先端医療システムの研究・開発も行っています。

電子カルテシステムを中心とした各業務システムとの連携図
電子カルテシステムを中心とした各業務システムとの連携図

*1
インフォームドコンセント:
「説明と同意」と訳されます。病状や治療方針を医師が患者に対して説明し、双方合意の下で治療を進めるために行われ、最近特に重要視されています。
*2
SOAP:
主観的情報(Subjective)、客観的情報(Objective)、評価分析(Assessment)、計画(Plan)の四項目に分類し て診療録を管理する手法です。

以上

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